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空き家は解体してから売る? 壊す前に査定と見積を両方取る

出典の確認日: 2026年10月9日

この記事の結論

壊す前に、今の状態のままの査定(仲介・買取)と、解体の見積もりを両方取ってから決めましょう。 家は壊すと元に戻せません。建て直せない土地があり、土地の固定資産税の特例がなくなることもあります。 税と建築の条件は、家のある市区町村の窓口で確かめてください。

あなたの事情での最初の一手を1分で確認

壊す前に確かめること(壊すと戻せないこと)

相続放棄を考えている場合: 相続した家を壊すことは、相続財産の処分に当たることがあります。相続放棄を考えている場合は、家や家財を売る・処分する前に、裁判所の案内か専門家に確かめてください。相続財産を処分すると、相続放棄ができなくなることがあります(民法921条1号)[1][2]。

建て直せる土地か

建物の敷地は、建築基準法上の道路に、2m以上接している必要があります(建築基準法43条)[3]。

ここでいう「道路」は、原則として幅4m以上の道です(建築基準法42条)[3]。家の前に道や通路があっても、この「道路」に当たるとは限りません。

道路に接していない土地では、家を壊したあと、新しく建てられないことがあります。例外の扱いもあります。

壊す前に、家のある市区町村か都道府県の建築の窓口で、建て直せる土地かを確かめてください。家の前の道が狭いときも、扱いを窓口で聞いておきましょう。

土地の固定資産税の特例(住宅用地の特例)

住宅が建っている土地には、固定資産税の特例があります。1月1日の時点で、実際に住宅の敷地として使われている土地にかかる特例です(鹿児島市の案内から)[4]。

住宅を取り壊すと、建物の分の税が減っても、土地の分が増えて、合計の税額が上がることがあります(鹿児島市の案内から)[4]。

また、固定資産税は、1月1日にある家や土地にかかります。1月1日にあった家は、その年に取り壊しても、その年度の分の税がかかります(船橋市の案内から)[5]。

壊したあとの税がどう変わるかは、家ごとに違います。家のある市区町村の固定資産税の窓口で、壊す前に確かめてください。

固定資産税の仕組みは、総務省の「固定資産税」のページでも案内されています[7]。

空き家のまま置いても、特例が外れることがある

壊さなければ特例が続く、とも限りません。

1月1日の時点で、空家法にもとづく「勧告」を受けた空き家や、住宅と認められない状態の空き家の敷地は、特例の対象から外れます(神戸市の案内から)[6]。神戸市は、取り壊しを予定していて、人が住む見込みがない場合も挙げています[6]。

扱いは自治体の判断によります。空き家の管理のことは、家のある市区町村の空き家の窓口に相談できます。

売ったときの税の特例(相続した空き家の3,000万円の特例)

亡くなった人が住んでいた家を相続して売ったとき、条件に合えば、売って得た利益から最高3,000万円を差し引ける特例があります[8]。2024年(令和6年)1月1日以後の売却で、家と土地を相続した人が3人以上のときは、最高2,000万円です[8]。

この特例は、建物を取り壊して土地で売る場合も、家を残して売る場合も、対象になりえます。ただし、家を残して売るなら、耐震の基準を満たすことなどが条件です(下の条件を見てください)[8]。取り壊して売る場合にも条件があります。壊す前に、国税庁のページで確かめてください。

売る時期に決まりが2つあります[8]。

  • 亡くなった日から3年たつ日の、その年の12月31日までに売ること
  • 2027年(令和9年)12月31日までに売ること

2つのうち、早く来るほうまでに売ることになります。

ほかにも、たとえば次のような条件があります[8]。

  • 1981年(昭和56年)5月31日以前に建てられた家であること(区分所有の登記がある建物は対象外)
  • 売るときに耐震の基準を満たしているか、家を取り壊すこと(売った翌年2月15日までに、買った人が工事や取り壊しをする場合も含む)
  • 亡くなる直前に、亡くなった人のほかに住んでいた人がいないこと
  • 相続のあと売るまでに、人に貸したり、住んだり、事業に使ったりしていないこと

相続した家を売ったときの「取得費の特例」とは、一緒に使えません[8]。

条件はこのほかにもあります。特例が使えると思って壊す前に、税務署か税理士に確かめてください。

国に土地を引き取ってもらう制度を考えているなら

相続した土地を、国に引き取ってもらうよう申請できる制度があります(相続土地国庫帰属制度)。ただし、建物がある土地は申請できません[9]。原則として、建物を取り壊してから申請します[10]。

建物を壊しても、ほかの条件で引き取ってもらえないことがあります[9]。申請してから取り壊すことを考えている場合は、申請する予定の法務局・地方法務局の本局に問い合わせるよう、法務省が案内しています[10]。壊す前に、法務局に相談してください。

申請にも費用がかかります。

  • 審査の手数料: 土地1筆(登記の上での1区画)あたり14,000円です[9]。
  • 負担金: 承認されたあとに払います。20万円が基本で、面積に応じて20万円を超える土地もあります[10]。

解体の費用に、これらが加わります。手元のお金が少ないときに、最初に考える方法ではありません。

手放し方の選択肢

古家付きのまま仲介で売る

建物を壊さずに、不動産会社に買い手を探してもらう方法です。このような売り方を「仲介」といいます。

建物に使い道があると考える買い手が見つかれば、そのまま売れます。買い手が見つかるまで、時間がかかることがあります。売れたときは、不動産会社への手数料もかかります。

今の状態のまま買い取る会社に相談する

家を、今の状態のまま買い取る会社があります。室内に物が残っていても相談できる、としている会社もあります[16]。

値段の見積もり(査定)を無料としている会社があります。ただし「一部は対象外」と書いている会社もあります[16]。

受けられるかどうかは、会社ごと、家ごとに違います。買い取りの値段と、仲介で買い手を探す場合の値段は違うので、両方を聞いてから決めてもかまいません。

解体して土地で売る

建物を取り壊して、土地として売る方法です。解体の費用を先に出すことになります。家の中の物も、解体の前に片付ける必要があります。

建て直せる土地か、固定資産税や売ったときの税がどう変わるかを、壊す前に確かめておきましょう(上の「壊す前に確かめること」)。

解体の見積もりで聞くことは、解体の見積もりで確かめることにまとめています。

相続放棄を考えている場合は、家を壊す前に、「相続放棄を考えている場合」を読んでください。

買い手が決まってから解体する

買い手が、建物のない土地(更地)での引き渡しを望むことがあります。その場合は、買い手が決まってから解体する方法もあります。

いつ解体するか、解体の費用を誰が持つかを、売買の契約で取り決めておきましょう。わからないことは、契約の前に不動産会社に聞いてください。

比べると

手放し方 先に出すお金 荷物はそのままでよいか 手間 向いている事情
古家付きのまま仲介で売る 場合による(片付けてから売るなら片付け代) 会社と買い手による 内覧の対応・打ち合わせ 建物に使い道があり、時間をかけて買い手を探せる
今のまま買取の相談 なし(査定は無料。一部対象外の会社もある) そのままで相談できる会社がある 問い合わせ・現地の確認 解体費や片付け代を先に出せない
解体して土地で売る あり(解体費・片付け代) 先に片付けが要る 見積もり・届出・滅失登記 建て直せる土地で、解体費を先に出せる
買い手が決まってから解体 契約による(解体費を誰が持つか) 契約による 契約での取り決め・解体の手配 買い手が更地での引き渡しを望む

お金がかかる所

この記事では、解体の金額を書いていません。国や公的機関がまとめた解体の相場が見つからなかったためです。

解体費は見積もりで確かめる

解体の費用は、建物の大きさや造り、残った家財の量などで変わります。同じ条件で見積もりを取り、何が入っているかを比べましょう。くわしくは解体の見積もりで確かめることをご覧ください。

解体の費用を先に出せないときは、壊す前に、ほかの手放し方を確かめる方法があります。解体費を先に出せないときに相談先をまとめています。

解体の補助は自治体ごとに違う

解体に補助を出している自治体があります。あるかどうか、条件、受付の時期は、自治体ごとに違います。

解体の契約の前に、家のある市区町村の空き家の窓口で聞いてください。

先に知っておきたい注意点

相続放棄を考えているとき

相続した家を壊すことは、相続財産の処分に当たることがあります。

相続放棄を考えている場合は、家や家財を売る・処分する前に、裁判所の案内か専門家に確かめてください。相続財産を処分すると、相続放棄ができなくなることがあります(民法921条1号)[1][2]。

壊すか残すかで税がどう変わるかは、家ごとに違う

壊したあとの固定資産税がどう変わるかは、家と土地ごとに違います。売ったときの税の特例も、使えるかどうかは家ごとに違います。

固定資産税は市区町村の固定資産税の窓口に、売ったときの税は税務署か税理士に、壊す前に確かめてください。

荷物が残っている家

家の中に物が多く残っていると、解体の前に片付けが要ります。片付けずに、今のまま売る相談をする方法もあります。

くわしくは、荷物が残ったまま売る方法をご覧ください。

見積もりや契約で困ったら

見積もりと請求が食い違うなど、契約で困ったときは、消費者ホットライン「188」に電話できます。近くの市区町村や都道府県の、消費生活の相談窓口を案内してもらえます[15]。

相談は無料ですが、相談窓口につながってからの通話料はかかります[15]。

解体するときの手続き

解体すると決めたら、次の3つの手続きがあります。

解体の届出(建設リサイクル法)

床面積の合計が80㎡以上の建物を解体するときは、工事を頼む人(発注者)が、工事に着手する7日前までに届け出ます[11]。

国のチラシでは、届出先は都道府県知事です[11]。市が受け付けている所もあります(静岡市の例)[12]。届出先は、家のある市区町村か都道府県で確かめてください。

書類を誰が用意するか、どこに出すかを、見積もりのときに業者に聞いておきましょう。

石綿(アスベスト)の事前調査の報告

解体する部分の床面積の合計が80㎡以上の建物を解体するときは、石綿があってもなくても、事前調査の結果を報告します[13]。報告するのは元請業者(工事を直接請け負う業者)で、報告先は労働基準監督署と自治体です[13]。

事前調査そのものは、工事の大きさにかかわらず行うことになっています[13]。

調査と報告が見積もりに入っているかを、確かめましょう。

建物の滅失登記

建物を壊したら、建物がなくなったことを登記します。これを「滅失の登記」といいます。

建物の名義の人(表題部所有者か、所有権の登記名義人)は、壊した日から1か月以内に申請することになっています(不動産登記法57条)[14]。

名義が亡くなった親のままのときの進め方は、法務局で確かめてください。

相談先

紹介料のない相談先

  • 市区町村の固定資産税の窓口: 家を壊したあとの土地の税がどう変わるかを、壊す前に聞けます。
  • 市区町村か都道府県の建築の窓口: 建て直せる土地かどうか、家の前の道の扱いを聞けます。
  • 市区町村の空き家の窓口: 解体の補助があるか、空き家の管理のことを聞けます。窓口の名前は自治体で違います。わからないときは、役所の代表電話で「空き家の相談」と伝えて、担当の窓口を聞いてください。
  • 法務局: 建物の滅失の登記や、国に土地を引き取ってもらう制度の相談ができます[9][10]。
  • 税務署: 売ったときの税の特例は、国税庁のページを見たうえで、税務署に確かめられます[8]。
  • 消費者ホットライン188: 見積もりや契約で困ったときに、近くの相談窓口を案内してもらえます。くわしくは消費者庁の案内をご覧ください[15]。

紹介料がない相談先でも、無料とは限りません。料金がかかるかどうかは、相談先で確かめてください。

このサイトが相談先をどう並べているかは、このサイトの約束に書いています。

出典・更新履歴

出典

  1. e-Gov 法令検索「民法」第921条 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 (確認日: 2026-10-09)
  2. 裁判所「相続の放棄の申述」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html (確認日: 2026-10-09)
  3. e-Gov 法令検索「建築基準法」第42条・第43条 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 (確認日: 2026-10-09)
  4. 鹿児島市「住宅を取り壊したのに、税額が上がったのはなぜですか。」 https://www.city.kagoshima.lg.jp/faq-kurashi/shisanzei/q76.html (確認日: 2026-10-09)
  5. 船橋市 よくある質問(家屋を取り壊した年度の固定資産税) https://www.city.funabashi.lg.jp/faq/kurashi/zei/003/02/p020627.html (確認日: 2026-10-09)
  6. 神戸市「空き家の敷地にかかる固定資産税」 https://www.city.kobe.lg.jp/a87426/kurashi/tax/kotei/akiya.html (確認日: 2026-10-09)
  7. 総務省「固定資産税」 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/150790_15.html (確認日: 2026-10-09。仕組みの案内としてリンクのみ)
  8. 国税庁 No.3306「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」(令和8年4月1日現在法令等) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm (確認日: 2026-10-09)
  9. 法務省「相続土地国庫帰属制度の概要」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00457.html (確認日: 2026-10-09)
  10. 法務省「相続土地国庫帰属制度に関するQ&A」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00459.html (確認日: 2026-10-09)
  11. 国土交通省 チラシ「建設リサイクル法の対象となる建設工事では届出が必要です!」(PDF) https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/region/recycle/d11pdf/recyclehou/todokede/todokede10.pdf (確認日: 2026-10-09)
  12. 静岡市「建設リサイクル法対象工事に関する届出方法」 https://www.city.shizuoka.lg.jp/s2574/s007762.html (確認日: 2026-10-09)
  13. 厚生労働省 石綿総合情報ポータルサイト「石綿事前調査結果報告システムについて」 https://www.ishiwata.mhlw.go.jp/result-reporting-system/ (確認日: 2026-10-09)
  14. e-Gov 法令検索「不動産登記法」第57条 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123 (確認日: 2026-10-09)
  15. 消費者庁「消費者ホットライン」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/ (確認日: 2026-10-09)
  16. ラクウル 公式サイト(広告主) https://raku-uru.org/ (確認日: 2026-10-09)
  17. タウンライフ空き家解決 公式サイト(広告主) https://town-life.jp/land/akiya-solution/index.php (確認日: 2026-10-09)

更新履歴

  • 2026-10-09: 公開前の原稿を作成
  • 見直し予定: 2027年の税制改正の発表後と、2028年1月(空き家の3,000万円の特例の期限 2027年12月31日のため)

出典の確認日: 2026-10-09