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田舎の家を処分したい:手放し方の比べ方と順番

出典の確認日: 2026年10月9日

この記事の結論

田舎の家は、地域の不動産会社への仲介の相談、今のまま買い取る会社への相談、自治体の空き家バンクを、並行して当たりましょう。 値段がつかなければ、ただで譲る相手を探します。 国に土地を引き取ってもらう制度は、建物を壊してからで、費用もかかります。壊す前に、法務局に相談してください。

あなたの事情での最初の一手を1分で確認

相続放棄を考えている場合は、家や家財を売る・処分する前に、裁判所の案内か専門家に確かめてください。相続財産を処分すると、相続放棄ができなくなることがあります(民法921条1号)[13][14]。

田舎の家が売れにくい理由

田舎の家が売れにくいのには、いくつかの事情が考えられます。ここでは数字ではなく、事情を並べます。

買い手を探す範囲が狭い

その地域の中だけでは、住む人や使う人が見つかりにくいことがあります。 地域の外の人にも知ってもらえるよう、探す先を広げることが大事です。

建物が古く、手入れが要る

古い家は、住む前に修理が要ることがあります。買う人は、修理の費用も考えて値段を決めます。 直してから売るか、そのまま売るかは、両方の値段を聞いてから決めてかまいません。

農地や山林がついている

家と一緒に、田畑や山林を持っていることがあります。農地や森林には、売るときや相続したときの決まりがあります。 くわしくは、このページの「農地や山林がついているとき」を見てください。

手放し方を比べる順番

下の1〜3は、並行して進めてかまいません。値段がつかないときに、4〜6を考えます。

1. 地域の不動産会社に仲介を聞く

まず、家のある地域の不動産会社に、仲介で売れそうかを聞きます。仲介は、不動産会社が買い手を探す売り方です。

売れたときは、不動産会社に手数料を払います。手数料の上限は、国が決めています[10]。 2024年7月1日から、800万円以下の空き家などは、上限が原則より高い「30万円の1.1倍(税込みで33万円)」まで上がる特例があります[10]。 この特例で手数料を受け取るには、仲介を頼む契約を結ぶときに、会社があらかじめ金額を説明し、頼んだ人と合意する必要があります[10]。

どこに聞けばよいか分からないときは、各都道府県の宅建協会の不動産無料相談所で相談できます[11]。

2. 今のまま買い取る会社に、並行して聞く

家を、今の状態のまま買い取る会社があります。荷物や傷みがあるまま相談できる会社もあります。 受けるかどうかは、会社ごと、家ごとに違います。家の場所と状態を伝えて、確かめてください。

相談の前に確かめることは、買取業者に相談する前にの記事にまとめています。 遠くに住んでいて通えないときの進め方は、遠くに住んでいて通えないときの記事にあります。 相談先の例は、このページの「相談先」にあります。

3. 自治体の空き家バンクに載せる

空き家バンクは、自治体などが空き家を登録し、住みたい人や使いたい人に紹介するしくみです。

国土交通省のページから、全国の空き家バンクの情報をまとめたサイトに進めます。サイトは、国が選んだLIFULLとアットホームの2社が運営しています[3]。 自治体の空き家バンクに載っていても、登録のときに同意していない物件は、全国版のサイトに載らないことがあります[3]。

利用の条件は、自治体ごとに違います。家のある市町村の窓口で確かめてください[3]。

4. ただで譲る相手を探す(無償譲渡)

値段がつかない家でも、ただでなら引き取りたいという人がいることがあります。近所の人、隣の土地の持ち主、空き家バンクを見た人などです。

名義を移す手続き(登記)には、費用がかかります。誰が出すかは、相手と話し合って決めます。

個人に譲ると、受け取った人に贈与税がかかることがあります[4]。法人に譲る場合を含め、税は税務署か税理士に確かめてください。

5. 市区町村に寄付を相談する

家や土地を、市区町村に寄付できないか相談する方法もあります。

ただし、寄付を受け付けていない市もあります。たとえば北九州市は、市民の声への答えで「現在、市ではご相談のケースを含めて寄付は受け付けていません」としています[5]。

まず、家のある市区町村の空き家の窓口に聞いてみましょう。

相続放棄を考えている場合は、家や家財を売る・譲る前に、注意点「相続放棄を考えているとき」を読んでください。

6. 国に土地を引き取ってもらう制度(相続土地国庫帰属制度)

相続などで受け継いだ土地を、国に引き取ってもらうよう申請できる制度です[1]。

ただし、建物がある土地は申請できません[1]。家が建っているなら、先に解体が要ります。

建物のほかにも、引き取ってもらえない土地の条件があります[1]。壊しても、ほかの条件で通らないことがあります。解体する前に、法務局に相談してください。 相談は、全国の法務局・地方法務局で受け付けています[1]。

申請にも費用がかかります。

  • 審査の手数料: 土地1筆(登記の上での1区画)あたり14,000円です。申請を取り下げたときや、却下・不承認のときも返ってきません[1]。
  • 負担金: 承認されたあとに払います[1]。宅地・田畑・雑種地などは、原則として面積にかかわらず20万円です。ただし、市街化区域や用途地域が指定された地域の宅地と田畑、農用地区域や土地改良事業の区域の田畑、森林は、面積に応じて決まります[2]。

解体の費用に、これらが加わります。そのため、この記事では、手元のお金が少ないときに最初に当たる先としては扱わず、最後に並べました。

壊してから売るか迷うときは、壊してから売るか迷うときの記事を読んでください。

比べると

手放し方 先に出すお金 荷物はそのままでよいか 手間 向いている事情
仲介(地域の不動産会社) 場合による(手数料は売れたときに払う。上限は国の決まり。800万円以下は上限が上がる特例あり) 先に片付けを求められることがある(会社による) 内覧の対応・打ち合わせ。売れるまでの期間が読めない 時間をかけても、値段をつけて売りたい
今のまま買取の相談 なし(査定は無料と書く会社もある。一部対象外の会社もある) そのままで相談できる会社がある 問い合わせ・現地の確認の立ち会い 遠くて通えない、片付け代を先に出せない
空き家バンク 場合による(自治体に確かめる) 相談先による 自治体への登録・内覧の対応 地域の外の買い手・借り手も探したい
寄付・無償譲渡 場合による(登記の費用の分け方。税がかかることがある。譲る相手で変わるので、税務署か税理士へ) 相談先による 相手探し・名義を移す手続き 値段がつかなくても手放したい
国に土地を引き取ってもらう制度(建物を壊してから) あり(解体費+審査の手数料 土地1筆14,000円+負担金20万円〜) 先に建物の解体が要る 法務局への相談・申請・審査 建物がなく、買い手も譲る相手も見つからない土地

農地や山林がついているとき

農地の売買・貸し借りには、農業委員会の許可が要る

農地を売ったり貸したりするには、原則として、農業委員会の許可が要ります(農地法3条1項)[6]。 家と一緒に農地も手放したいときは、先に、農地のある市町村の農業委員会に相談しましょう。

農地を相続したら、農業委員会に届け出る

農地を相続したときは、農地のある市町村の農業委員会に届け出ます(農地法3条の3第1項)[7]。 届出の期限や書き方は、その農業委員会で確かめてください。

農林水産省のチラシでは、地元を離れていて自分で手入れができない人に、農業委員会が農地の管理の相談や、借り手探しの手伝いをすると案内しています[7]。

森林の土地を相続したら、90日以内に市町村へ届け出る

売買や相続などで森林の土地を新たに取得した人は、個人か法人かを問わず、面積にかかわらず、届出が要ります[8]。

期限は、土地の所有者になった日から90日以内です。届出先は、土地のある市町村の長です[8]。

対象は、都道府県が決める「地域森林計画」の対象になっている森林です[8]。当たるかどうかは、土地のある市町村の林務の窓口で確かめてください。

国に引き取ってもらう制度では、森林と、農用地区域などの田畑の負担金は面積で決まる

国に土地を引き取ってもらう制度(上の「6.」)では、森林の負担金は、面積に応じて決まります[2]。 田畑も、農用地区域、土地改良事業の区域、市街化区域や用途地域が指定された地域にあるものは、面積に応じて決まります[2]。 自分の土地が当たるかどうかは、法務局で確かめてください[1]。

先に知っておきたい注意点

相続放棄を考えているとき

相続放棄を考えている場合は、家や家財を売る・処分する前に、裁判所の案内か専門家に確かめてください。相続財産を処分すると、相続放棄ができなくなることがあります(民法921条1号)[13][14]。

名義が亡くなった親のままのとき

家の名義が亡くなった親のままだと、そのままでは売れません。売る前に、相続した人へ名義を移す手続き(相続登記)が要ります[9]。

相続した人が法務局に申し出る「相続人申告登記」という手続きもあります。ただし、売るときには、別に相続登記をする必要があると、法務省は案内しています[9]。

ただで譲るときや、寄付するときの手続きは、法務局か司法書士に聞いてください。

「どこでも買い取れる」と決めつけない

公式サイトに「全国」と書いている会社もあります。それでも、受けるかどうかは、家の場所や状態で変わります。 問い合わせるときに、会社の条件と、対応している地域を確かめてください。

持ち続けるなら、毎年かかるお金がある

家を持ち続けると、毎年、固定資産税などがかかります。

家が建っている土地は、固定資産税を軽くする特例(住宅用地特例)の対象になっていることがあります。 ただし、管理が行き届いていない空き家として市区町村から指導を受け、それに従わずに勧告を受けると、この特例が受けられなくなります[12]。

税がどう変わるかは、家のある市区町村の資産税の窓口に確かめてください。

まだ売るか決めていないときは、まだ売るか決めていないときの記事で、売る・貸す・持ち続けるを比べています。

相談先

紹介料のない相談先

  • 市区町村の空き家の窓口: 寄付を受け付けているか、解体などの補助があるか、空き家バンクに登録できるかを聞けます。窓口の名前は自治体で違います。わからないときは、役所の代表電話で「空き家の相談」と伝えて、担当の窓口を聞いてください。
  • 全国版空き家・空き地バンク: 国土交通省の案内ページから進めます[3]。
  • 宅建協会の不動産無料相談所: 各都道府県の宅建協会の相談所で、不動産の相談ができます。全宅連の相談窓口のご案内に、47都道府県の一覧と電話番号があります[11]。
  • 法務局: 国に土地を引き取ってもらう制度の相談ができます。全国の法務局・地方法務局で受け付けています[1]。
  • 農業委員会: 農地がついているときの、売買・貸し借りの許可や、相続したときの届出の窓口です。農地のある市町村にあります[6][7]。
  • 家庭裁判所: 相続放棄の申し立ての先です。手続きは裁判所の案内にあります[14]。

このサイトが相談先をどう並べているかは、このサイトの約束に書いています。

出典・更新履歴

出典

  1. 法務省「相続土地国庫帰属制度の概要」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00457.html (確認日: 2026-10-09)
  2. 法務省「相続土地国庫帰属制度の負担金」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00471.html (確認日: 2026-10-09)
  3. 国土交通省「空き家・空き地バンク総合情報ページ」 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/sosei_const_tk3_000131.html (確認日: 2026-10-09)
  4. 国税庁 No.4402「贈与税がかかる場合」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4402.htm (確認日: 2026-10-09)
  5. 北九州市「空き家の寄付について(寄せられた市民のこえ)」 https://www.city.kitakyushu.lg.jp/category/90001191.html (確認日: 2026-10-09)
  6. e-Gov 法令検索「農地法」第3条第1項 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000229 (確認日: 2026-10-09)
  7. 農林水産省「農地を相続したときは」(PDF。農地法第3条の3第1項の届出書の様式例つき) https://www.maff.go.jp/j/keiei/koukai/pdf/souzoku_todoke.pdf (確認日: 2026-10-09)
  8. 林野庁「森林の土地の所有者届出制度」 https://www.rinya.maff.go.jp/j/keikaku/todokede/ (確認日: 2026-10-09)
  9. 法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00565.html (確認日: 2026-10-09)
  10. 国土交通省「空き家等に係る媒介報酬規制の見直し」(PDF。令和6年6月公布・7月1日施行) https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001749923.pdf (確認日: 2026-10-09)
  11. 全国宅地建物取引業協会連合会「相談窓口のご案内」 https://www.zentaku.or.jp/about/free_consultation/ (確認日: 2026-10-09)
  12. 国土交通省「空き家対策 特設サイト」(住宅用地特例の説明) https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/akiya-taisaku/articles/2024020105.html (確認日: 2026-10-09)
  13. e-Gov 法令検索「民法」第921条 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 (確認日: 2026-10-09)
  14. 裁判所「相続の放棄の申述」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html (確認日: 2026-10-09)
  15. ラクウル 公式サイト(広告主) https://raku-uru.org/ (確認日: 2026-10-09)
  16. タウンライフ空き家解決 公式サイト(広告主) https://town-life.jp/land/akiya-solution/index.php (確認日: 2026-10-09)

更新履歴

  • 2026-10-09: 公開前の原稿を作成

出典の確認日: 2026-10-09