空き家の買取業者に相談する前に:仲介との違いと、確かめること
出典の確認日: 2026年10月9日
この記事の結論
買取は、不動産会社が自分で家を買う売り方です。買い手を探す期間がなく、荷物や傷みがあるまま相談できる会社もあります。 仲介は、不動産会社が買い手を探す売り方です。そのぶん、売れるまで時間がかかることがあります。 どちらが合うかは、両方の値段と期間を聞いてから決めましょう。相談の前に、免許・契約書・費用の分担・キャンセルの条件を確かめます。
相続放棄を考えている場合は、家を売る前に、注意点「相続放棄を考えているとき」を読んでください。
買取と仲介の違い
買い手が誰か
家を売る方法には、大きく2つあります。
- 買取: 不動産会社が、自分で家を買います。
- 仲介: 不動産会社が、家を買う人を探します。会社は、売る人と買う人の間に立ちます。
買取では、会社と話がまとまれば、買い手を探す期間がありません。 仲介では、買い手が見つかるまで売れません。
仲介手数料
仲介で売れたときは、不動産会社に手数料(仲介手数料)を払います。手数料の上限は、国が決めています[1]。
800万円以下の空き家などの手数料の特例は、2024年7月1日に今の形に見直されました。手数料の上限が、原則より高い「30万円の1.1倍(税込みで33万円)」まで上がります[1]。
この特例で手数料を受け取るには、仲介を頼む契約(媒介契約)を結ぶときに、会社があらかじめ金額を説明し、頼んだ人と合意する必要があります[1]。金額に納得できないときは、契約を結ぶ前に聞きましょう。
会社が自分で買う形(買取)は、仲介ではありません。公式サイトに「自社買取であるため仲介手数料などの諸費用がかからず」と書いている会社もあります[10]。
ただ、相手が自分で買うのか、ほかの買い手を探す仲介なのかは、契約書で確かめてください。荷物の処分や測量など、ほかの費用がかかるかは、見積もりで確かめます。
売れるまでの期間と、荷物・傷みの扱い
仲介では、買い手が見つかるまでの期間が読めません。内覧(買いたい人の見学)の対応も要ります。 売り出す前に、片付けや手入れを求められることもあります。これは会社によって違います。
買取では、荷物が残ったまま、傷んだままでも相談できる会社があります。 ただし、受けるかどうかは、会社ごと、家ごとに違います。断られることもあると考えておきましょう。
荷物が残った家の売り方は、荷物が残ったまま売る方法にまとめています。
値段は両方聞いて比べる
買取の値段と、仲介で売り出すときの値段は、同じとは限りません。 どのくらい違うかは、家ごとに違います。そのため、この記事では目安の数字を書いていません。
仲介の値段と買取の値段を、両方聞いてから比べましょう。 値段だけでなく、売れるまでの期間と、かかる費用も並べると、比べやすくなります。
不動産会社の買取と、空き家・訳あり専門の買取
買取をする会社には、大きく2つの型があります。
不動産会社の買取
仲介と買取の両方を扱う不動産会社があります。 こうした会社なら、仲介で売り出すときの値段と、会社が買う値段を、並べて聞けます。
空き家・訳あり専門の買取
荷物が残っている家、傷みが大きい家、ほかの会社で断られた家などを扱う会社もあります。 空き家や「訳あり」の家を専門にしている会社です。
不動産会社に断られた家の相談先は、不動産会社に断られたときの記事で、順に見ています。
「全国」と書く会社でも、受けるかは家ごとに確かめる
公式サイトに「全国」と書いている会社もあります。それでも、受けるかどうかは、家の場所や状態で変わります。 問い合わせるときに、家の場所と状態を伝えて、受けられるかを聞いてください。
田舎の家なら、田舎の家を手放す比べ方も読んでみてください。
相続放棄を考えている場合は、家を売る前に、注意点「相続放棄を考えているとき」を読んでください。
比べると
| 売り方 | 先に出すお金 | 荷物・傷みはそのままでよいか | 手間 | 向いている事情 |
|---|---|---|---|---|
| 仲介(不動産会社が買い手を探す) | 場合による(手数料は売れたときに払う。上限は国の決まり。800万円以下は上限が上がる特例あり) | 先に片付けや手入れを求められることがある(会社による) | 内覧の対応・打ち合わせ。売れるまでの期間が読めない | 時間をかけても、市場で値段をつけたい |
| 不動産会社の買取 | なし(会社が買い手。ほかにかかる費用は見積もりで確かめる) | 会社による(そのままで相談できる会社もある) | 査定の立ち会い・契約 | 仲介の値段と並べて、早く手放す道も見たい |
| 空き家・訳あり専門の買取 | なし(査定は無料と書く会社もある。一部対象外の会社もある) | そのままで相談できる会社がある | 問い合わせ・現地の確認の立ち会い | 荷物・傷みがある、ほかで断られた、遠くて通えない |
相談の前に確かめること
どの会社に相談するときも、次の5つを確かめておきましょう。
| 確かめること | どこで・どう確かめるか |
|---|---|
| 宅建業の免許番号 | 国土交通省の検索システムで、会社名や免許番号から調べる |
| 売ったあとの責任の扱い | 契約書の条文で確かめる。分からなければ宅建協会の無料相談所へ |
| 荷物・解体・測量・登記の費用を、誰が持つか | 見積もりと契約書に書いてもらう |
| キャンセルの条件 | 契約の前に、解約の条件と違約金の書き方を確かめる |
| 値段の根拠と、いつまで有効か | 値段を聞くときに、理由と期限を聞く。書面でもらう |
宅建業の免許番号
相談する会社の、宅地建物取引業(宅建業)の免許番号を聞いておきましょう。
国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で、会社名や免許番号から、宅建業者の情報を調べられます[3]。検索の画面はこちらです。
見つからないときは、番号の書き間違いがないか、会社に聞き直してください。
売ったあとの売主の責任を、契約書でどう扱うか
売ったあとに、雨もりや設備の故障など、契約の内容と合わない点が見つかることがあります。
民法には、こうしたときに、買った人が売った人に、直すことなどを求められる決まりがあります(契約不適合責任。民法562条など)[4]。
買取の会社の中には、「売ったあとは責任を負わなくてよい」という趣旨を書く会社もあります。 この扱いは、契約書の条文で決まります。契約の前に、条文を読んで確かめてください。 読んでもよく分からないときは、宅建協会の不動産無料相談所に相談できます[7]。
荷物・解体・測量・登記の費用を、誰が持つか
売るときには、家の値段のほかにも、費用がかかることがあります。
- 残った荷物の処分
- 建物の解体
- 土地の境い目を測る測量
- 名義を移す手続き(登記)
どれを誰が出すかは、会社によって違います。見積もりと契約書に書いてもらいましょう。 値段が高く見えても、こうした費用を売る人が出す条件なら、手元に残るお金は少なくなります。
キャンセルの条件
自分の家を不動産業者に売った場合、クーリング・オフはできないと、国民生活センターが注意を呼びかけています[5]。 クーリング・オフは、契約のあと決められた期間なら、理由を問わず解約できるしくみです。
そのため、契約の前に、解約できる条件と、違約金(解約するときに払うお金)の書き方を確かめてください。 よく分からないことや、納得できないことがあれば、解決するまで契約しないでください[5]。
値段の根拠と、その値段がいつまで有効か
値段を聞いたら、なぜその値段なのかを聞きましょう。 その値段がいつまで有効かも、確かめておきます。日がたつと、値段が変わることがあります。 書面でもらっておくと、ほかの会社の値段と比べやすくなります。
仲介で出して、売れなければ買取に切り替える
最初から一つに決めなくてもかまいません。まず仲介で売り出し、売れなければ買取に切り替える進め方もあります。
先に両方の値段を聞いておく
切り替えるかどうかを決めるには、買取の値段を知っておく必要があります。 仲介で売り出す前に、買取の値段も聞いておくと、あとで決めやすくなります。
相談先の例は、このページの「相談先」にあります。
専任媒介の契約は3か月まで
仲介を頼む契約(媒介契約)には、いくつかの種類があります。 そのうち、ほかの会社に重ねて頼まない「専任媒介契約」は、期間が3か月を超えられないと、法律で決まっています(宅地建物取引業法34条の2第3項)[2]。
切り替える時期は、媒介契約の期間と、途中でやめるときの条件を見て決めましょう。どちらも契約書に書かれています。
先に知っておきたい注意点
相続放棄を考えているとき
相続放棄を考えている場合は、家や家財を売る・処分する前に、裁判所の案内か専門家に確かめてください。相続財産を処分すると、相続放棄ができなくなることがあります(民法921条1号)[4][9]。
名義が亡くなった親のままのとき
家の名義が亡くなった親のままだと、そのままでは売れません。売る前に、相続した人へ名義を移す手続き(相続登記)が要ります[6]。
相続した人が法務局に申し出る「相続人申告登記」という手続きもあります。ただし、売るときには、別に相続登記をする必要があると、法務省は案内しています[6]。
相続登記は、2024年4月1日から義務になりました。期限は、相続で家を受け継いだと知った日から3年以内です。2024年4月1日より前に受け継いだ家は、2027年3月31日までです[6]。
強引な勧誘を受けたとき
家に来た業者や電話で、家を売るよう強く求められることがあります。 その場で契約しないでください。家族など、身近な人に相談しましょう。
困ったときは、消費者ホットライン「188」に電話すると、近くの消費生活センターなどの相談窓口を案内してもらえます[8]。
相談先
紹介料のない相談先
- 宅建協会の不動産無料相談所: 各都道府県の宅建協会の相談所で、不動産の相談ができます。全宅連の相談窓口のご案内に、47都道府県の一覧と電話番号があります[7]。
- 国土交通省の業者検索: 相談する会社の宅建業の免許を、企業情報検索システムで調べられます[3]。
- 消費者ホットライン188: 契約で困ったときに、近くの相談窓口を案内してもらえます。くわしくは消費者庁の案内をご覧ください[8]。
- 家庭裁判所: 相続放棄の申し立ての先です。手続きは裁判所の案内にあります[9]。
このサイトが相談先をどう並べているかは、このサイトの約束に書いています。
出典・更新履歴
出典
- 国土交通省「空き家等に係る媒介報酬規制の見直し」(PDF。令和6年6月公布・7月1日施行) https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001749923.pdf (確認日: 2026-10-09)
- e-Gov 法令検索「宅地建物取引業法」第34条の2第3項 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176 (確認日: 2026-10-09)
- 国土交通省「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/sosei_const_tk3_000037.html (検索画面 https://etsuran2.mlit.go.jp/TAKKEN/ )(確認日: 2026-10-09)
- e-Gov 法令検索「民法」第562条・第921条 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 (確認日: 2026-10-09)
- 国民生活センター「高齢者の自宅の売却トラブルに注意」(2021年6月24日公表) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20210624_1.html (確認日: 2026-10-09)
- 法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00565.html (確認日: 2026-10-09)
- 全国宅地建物取引業協会連合会「相談窓口のご案内」 https://www.zentaku.or.jp/about/free_consultation/ (確認日: 2026-10-09)
- 消費者庁「消費者ホットライン」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/ (確認日: 2026-10-09)
- 裁判所「相続の放棄の申述」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html (確認日: 2026-10-09)
- ラクウル 公式サイト(広告主) https://raku-uru.org/ (確認日: 2026-10-09)
- タウンライフ空き家解決 公式サイト(広告主) https://town-life.jp/land/akiya-solution/index.php (確認日: 2026-10-09)
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- 2026-10-09: 公開前の原稿を作成
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