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実家じまいの費用の全体像:片付け・解体・売却を順に見る

出典の確認日: 2026年10月8日

この記事の結論

実家じまいのお金は、「片付け → 解体 → 売る → 登記 → 税」の順にかかります。 片付けと解体は家ごとの差が大きいので、見積もりで確かめます。 売るときの手数料と、名義を移すときの税は、国の決まりで目安を出せます。

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お金がかかる順番

実家じまいでは、次の5つの場面でお金がかかります。

全部が要るとは限りません。たとえば、今の状態のまま買い取る会社に売るなら、片付けや解体が要らないこともあります。

1. 片付け(金額は見積もりで確かめる)

家の中の物を運び出し、処分する費用です。

物の量や間取り、運び出しやすさなどで金額が変わります。国や公的機関がまとめた相場の数字は見つかりませんでした。そのため、この記事では金額を書いていません。

複数の業者から見積もりを取り、料金と作業の中身を比べましょう[10]。作業を始める前に、払う金額を確かめておくことも大切です[10]。

相続放棄を考えている場合は、物を処分する前に、注意点「相続放棄を考えているとき」を読んでください。

2. 解体(金額は見積もりで。補助は市区町村の窓口へ)

建物を取り壊す費用です。建物の大きさや造りなどで変わります。この記事では金額を書いていません。見積もりで確かめてください。

空き家の解体に補助を出している自治体もあります。あるかどうか、どんな条件かは、家のある市区町村の空き家の窓口で聞いてください。

建物を壊すと、その土地は「住宅が建っている土地」ではなくなります。下の「固定資産税」の節で書く、税が軽くなるしくみの対象から外れることがあります。壊す前に、市区町村の税の窓口で確かめると安心です。

3. 売る(仲介の手数料の上限は国の決まり。800万円以下の家は上限が上がる特例あり)

不動産会社に買い手を探してもらう売り方を「仲介」といいます。仲介で売れたときは、不動産会社に手数料を払います。

手数料の上限は、国が決めています[1]。売る値段を3つに分けて、それぞれに次の割合をかけて足します。

売る値段のうち 上限の割合(税込)
200万円以下の部分 5.5%
200万円を超え400万円以下の部分 4.4%
400万円を超える部分 3.3%

たとえば500万円で売れた場合、この決まりで計算すると、上限は23万1,000円です(11万円+8万8,000円+3万3,000円)。

800万円以下の家は、上限が上がる特例があります。 2024年(令和6年)7月1日から、800万円以下の空き家などの仲介では、上の計算より高い額を受け取れるようになりました。上限は「30万円の1.1倍」、つまり税込33万円です[1]。

たとえば500万円の家なら、上の計算の上限は23万1,000円です。特例を使うと、33万円まで上がります。安くなる特例ではない点に気をつけてください。

国土交通省は、この特例について、仲介を頼む前に上限の範囲で合意しておくことが大事だと案内しています[1]。手数料の額は、仲介の契約を結ぶ前に確かめましょう。

手数料は、売買の契約が成立したときに請求できるとされています。国の指導では、契約が成立したときに半分、仲介の務めが終わったときに残りを受け取るよう求めています[2]。

4. 登記(相続登記の税は価額の1000分の4。100万円以下の土地の免税は2027年3月31日まで)

家を売るには、亡くなった親から、相続した人へ名義を移す手続き(相続登記)が要ります[3]。

相続登記には、登録免許税という税がかかります。税額は、不動産の価額の1000分の4です[4]。価額は、原則として、市区町村の固定資産課税台帳に登録された価格です[4]。

たとえば価額が1,000万円なら、1000分の4で4万円です。

価額が100万円以下の土地は、2027年(令和9年)3月31日までに相続登記をすれば、登録免許税がかかりません[4]。 期限のある決まりです。手続きの前に、国税庁のページで今の決まりを確かめてください。

司法書士に手続きを頼むときは、その報酬が別にかかります。金額は事務所ごとに違うので、頼む前に確かめましょう。

5. 売ったあとの税(相続した空き家の3,000万円の特例。期限は「亡くなった日から3年たつ年の年末まで」)

家を売って利益が出ると、所得税などがかかることがあります。

相続した空き家を売ったときは、条件に合えば、売って得た利益から最高3,000万円を差し引ける特例があります[5]。2024年(令和6年)1月1日以後の売却で、家と土地を相続した人が3人以上のときは、最高2,000万円です[5]。

売る時期に決まりが2つあります[5]。

  • 相続が始まった日(親が亡くなった日)から3年たつ日の、その年の12月31日までに売ること
  • 2027年(令和9年)12月31日までに売ること

2つのうち、早く来るほうまでに売ることになります。

ほかにも、たとえば次のような条件があります[5]。

  • 1981年(昭和56年)5月31日以前に建てられた家であること
  • 売るときに耐震の基準を満たしているか、家を取り壊すこと(売った翌年2月15日までに、買った人が工事や取り壊しをする場合も含む)
  • 亡くなる直前に、亡くなった人のほかに住んでいた人がいないこと
  • 相続のあと売るまでに、人に貸したり、住んだり、事業に使ったりしていないこと
  • 売る値段が1億円以下であること

条件はこのほかにもあります。使えるかどうかは、国税庁のページを見たうえで、税務署か税理士に確かめてください。

持ち続ける場合に毎年かかるお金

売らずに持ち続ける場合も、毎年お金がかかります。

固定資産税

家と土地には、毎年、固定資産税がかかります。地域によっては都市計画税もかかります。

住宅が建っている土地には、税が軽くなる特例があります[6]。

  • 200㎡以下の部分: 税の計算のもとになる額が、評価額の6分の1になります
  • 200㎡を超える部分: 評価額の3分の1になります

ただし、空き家の手入れが行き届かず、市区町村から「勧告」を受けると、その土地はこの特例の対象から外れます[8]。

2023年(令和5年)12月13日に、空き家についての法律が改正されました[7]。改正で、そのままにすると危ない状態の空き家(特定空家等)だけでなく、手入れが足りない空き家(管理不全空家等)も、勧告を受けると特例が外れるようになりました[8]。

このほか、見回りの交通費、草取り、火災保険、電気や水道の基本料金などがかかることもあります。家ごとに違うので、この記事では金額を書いていません。

比べると

進め方 先に出すお金 荷物はそのままでよいか 手間 向いている事情
片付け あり(見積もりで確かめる) ―(片付けそのもの) 見積もり・立ち会い・残す物の仕分け 仲介で売る・貸す・住む前
解体 あり(見積もりで確かめる。補助は自治体による) 先に片付けが要る 見積もり・近所へのあいさつ・立ち会い 建物の傷みが大きく、土地として売りたい
仲介で売る 場合による(手数料は売買の契約が成立してから。上限は国の決まり) 先に片付けが要ることが多い(相談先による) 内覧の対応・打ち合わせ 時間をかけて買い手を探したい
今のまま買取 なし(査定は無料。一部対象外の会社もある) そのままで相談できる会社がある 問い合わせ・現地の確認の立ち会い 片付け・解体の費用をかけずに手放したい
持ち続ける なし(毎年の固定資産税・管理の費用は続く) そのままでよい 管理・見回り まだ決めない・家族が使う

誰に何を頼むか

やることごとに、頼む先が違います。

やること 主な頼み先 頼む前に確かめること
片付け 片付けの業者・遺品整理の業者 家庭のごみを回収する許可か、市区町村の委託を受けているか[9]
解体 解体の業者 見積もりに入っている作業の範囲。補助があるかは市区町村の窓口へ
売る 不動産会社(仲介・買取) 仲介手数料の額。800万円以下の特例を使うか[1]
登記 法務局・司法書士 司法書士に頼むなら、その報酬の額
税 税務署・税理士 売ったあとの特例を使えるか[5]

家庭のごみ(廃棄物)を回収するには、市区町村の「一般廃棄物処理業」の許可か、市区町村の委託が必要です。「産業廃棄物処理業」や「古物商」の許可では、家庭のごみは回収できません[9]。

先に知っておきたい注意点

相続放棄を考えているとき

相続放棄を考えている場合は、家や家財を売る・処分する前に、裁判所の案内か専門家に確かめてください。相続財産を処分すると、相続放棄ができなくなることがあります(民法921条1号)[13][14]。

片付けの見積もりと、請求の額が違ったという相談

仙台市は、「トラックに詰め放題で定額」という広告を見て頼んだところ、広告の定額より倍以上高い金額だった、という例を紹介しています[10]。

食い違いを防ぐために、次のことを確かめましょう。

  • 複数の業者から見積もりを取り、料金と作業の中身を比べる[10]
  • 作業を始める前に、払う金額を確かめる[10]
  • 家庭のごみとして処分してもらうなら、許可か委託を受けた業者か、市区町村のホームページや窓口で確かめる[9][11]

困ったときは、消費者ホットライン「188」に電話すると、近くの消費生活センターなどの相談窓口を案内してもらえます[12]。

先にお金を出せないとき

片付けや解体の費用を先に出せないときは、今の状態のまま相談できる先から確かめる方法があります。

実家じまいのお金がないとき、先に払わずに相談できる手放し方にまとめています。

相談先

紹介料のない相談先

  • 市区町村の空き家の窓口: 片付けや解体の補助があるかを聞けます。窓口の名前は自治体で違います。わからないときは、役所の代表電話で「空き家の相談」と伝えて、担当の窓口を聞いてください。
  • 国税庁のページ: 相続した空き家を売ったときの特例の条件は、国税庁 No.3306で確かめられます[5]。使えるかどうかは、税務署か税理士に確かめてください。
  • 消費者ホットライン188: 片付けなどの契約で困ったときに、近くの相談窓口を案内してもらえます。くわしくは消費者庁の案内をご覧ください[12]。

このサイトが相談先をどう並べているかは、このサイトの約束に書いています。

出典・更新履歴

出典

  1. 国土交通省「<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ」 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bf_000013.html (確認日: 2026-10-08)
  2. 不動産適正取引推進機構「不動産のQ&A」Q3 https://www.retio.or.jp/info/qa/qa7/ (確認日: 2026-10-08)
  3. 法務省 相続人申告登記の案内 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00602.html (確認日: 2026-10-08)
  4. 国税庁 No.7191「登録免許税の税額表」(令和8年4月1日現在法令等) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm (確認日: 2026-10-08)
  5. 国税庁 No.3306「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」(令和8年4月1日現在法令等) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm (確認日: 2026-10-08)
  6. 総務省「固定資産税」 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/150790_15.html (確認日: 2026-10-08)
  7. 国土交通省 空家法の改正(令和5年12月13日施行)の案内 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000138.html (確認日: 2026-10-08)
  8. 静岡市「空き家の固定資産税・都市計画税」 https://www.city.shizuoka.lg.jp/s7345/s013021.html (確認日: 2026-10-08)
  9. 環境省「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」 https://www.env.go.jp/recycle/kaden/tv-recycle/qa.html (確認日: 2026-10-08)
  10. 仙台市「不用品回収サービスのトラブルにご注意ください!」 https://www.city.sendai.jp/kehatsu/kurashi/tetsuzuki/shohi/chui/huyouhin.html (確認日: 2026-10-08)
  11. 国民生活センター 報道発表資料(2022年11月2日) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20221102_1.html (確認日: 2026-10-08)
  12. 消費者庁「消費者ホットライン」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/ (確認日: 2026-10-08)
  13. e-Gov 法令検索「民法」第921条 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 (確認日: 2026-10-08)
  14. 裁判所「相続の放棄の申述」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html (確認日: 2026-10-08)
  15. ラクウル 公式サイト(広告主) https://raku-uru.org/ (確認日: 2026-10-08)
  16. タウンライフ空き家解決 公式サイト(広告主) https://town-life.jp/land/akiya-solution/index.php (確認日: 2026-10-08)

更新履歴

  • 2026-10-08: 公開前の原稿を作成
  • 見直し予定: 2027年4月(登録免許税の免税の期限 2027年3月31日のため)、2028年1月(空き家の3,000万円の特例の期限 2027年12月31日のため)

出典の確認日: 2026-10-08