実家じまいの期限チェックリスト:相続から売るまで、いつまでに何をするか
結論
実家じまいの期限は、項目ごとに「数え始める日」が違います。
亡くなった日から数えるもの、「知った日」から数えるもの、カレンダーの日付で決まっているものがあります。
下の表で自分に関係する行に印をつけ、期限は窓口で確かめてください。
カレンダーの日付で決まっている登記の期限のうち、2026年10月17日から見て一番近いのは 2027年3月31日 です(2024年4月1日より前に相続した家の相続登記と、登録免許税の免税)[9][12]。2026年中に家を売った人は、その前に、2027年2月16日から3月15日までの確定申告があります[15]。
このページの使い方
- 下の「わが家のメモ」に、亡くなった日などを書きます。
- 表の「期限(数え始める日)」を見て、どの日から数えるかを確かめます。
- 自分の場合の期限は、表の「確かめる先」で聞いてください。このページでは、一人ひとりの期限は計算していません。
- 済んだ行は、チェック欄に印をつけます。
印刷すると、A4の紙2枚に収まります。家族で話すときや、窓口に行くときに持っていけます。
わが家のメモ(書きこみ用)
画面では書きこめません(入力したものを保存・送信しないため)。印刷して手で書いてください。
| メモ | 日付 |
|---|---|
| 亡くなった日 | 年 月 日 |
| 亡くなったことを知った日(同じなら同じ日) | 年 月 日 |
| 実家(家・土地)を相続したと知った日 | 年 月 日 |
| 遺産の分け方の話し合いがまとまった日 | 年 月 日 |
| 実家を売った日 | 年 月 日 |
期限の表(亡くなってからの時間の順)
表の見方: 「期限」の欄の太字が、数え始める日です。□は、済んだら印をつける欄です。
A. 亡くなってすぐ
| 済 | やること | 期限(数え始める日) | 確かめる先 | ひとこと |
|---|---|---|---|---|
| 済んだら印 | 1. 死亡届を出す | 死亡の事実を知った日から7日以内(国外で亡くなったときは3か月以内)[1] | 市区町村の役所 | 手数料はかかりません[1] |
B. 3か月以内(借金も含めて受け継ぐかを決める)
| 済 | やること | 期限(数え始める日) | 確かめる先 | ひとこと |
|---|---|---|---|---|
| 済んだら印 | 2. 相続放棄をするか決める | 自分のために相続が始まったことを知ったときから3か月以内[2] | 亡くなった人の最後の住所地の家庭裁判所[2] | 何もしないまま3か月をすぎると、借金も含めて受け継いだことになります(民法921条2号)[4]。期間を延ばす申し立てができる場合があります[2]。費用は収入印紙800円分(1人につき)と郵便切手[2] |
| 済んだら印 | 3. 限定承認(受け継いだ財産の範囲で借金を引き継ぐ)にするか決める | 2と同じく3か月以内[3] | 2と同じ家庭裁判所[3] | 相続人全員でする必要があります[3]。費用は収入印紙800円分と郵便切手[3] |
C. 4か月以内
| 済 | やること | 期限(数え始める日) | 確かめる先 | ひとこと |
|---|---|---|---|---|
| 済んだら印 | 4. 亡くなった人の所得税の申告(準確定申告) | 相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内[5] | 税務署 | 年の途中で亡くなった人の所得を、相続人などが申告します[5]。要るかどうかは税務署へ |
D. 10か月以内
| 済 | やること | 期限(数え始める日) | 確かめる先 | ひとこと |
|---|---|---|---|---|
| 済んだら印 | 5. 相続税の申告と納税 | 亡くなったことを知った日(ふつうは亡くなった日)の翌日から10か月以内[6] | 税務署 | 遺産の合計が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下なら、申告も納税も要りません[6][7]。ただし、小規模宅地等の特例などを使って基礎控除額以下になる場合は、申告が必要です(申告がいるかは、特例を使う前の額で決まります)[6] |
E. 3年以内(家の名義)
| 済 | やること | 期限(数え始める日) | 確かめる先 | ひとこと |
|---|---|---|---|---|
| 済んだら印 | 6. 相続登記(家と土地の名義を、相続した人に移す) | 不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内[9][10] | 家のある地域の法務局 | 正当な理由なく義務に違反すると、10万円以下の過料(行政上のペナルティ)が科される可能性があります[9] |
| 済んだら印 | 7. 3年以内に6が難しいときは「相続人申告登記」 | 6と同じ3年以内[11] | 6と同じ法務局 | 登録免許税はかかりません[11]。申し出た人だけが、義務を果たしたとみなされます[10] |
| 済んだら印 | 8. 遺産の分け方の話し合いで家を受け継いだら、その内容の登記 | 遺産分割(話し合いがまとまった日)から3年以内[10] | 6と同じ法務局 | 7の相続人申告登記では、この義務は果たせません[10]。話し合いが長引いても、6の3年は止まりません。間に合わないときは7を[10] |
出典と確認日は https://jikka.choko-tech.com/tools/deadline-checklist/ に載せています(確認日 2026年10月17日)。一人ひとりの期限は、確かめる先の窓口で確かめてください。
F. 売るときの税(3年前後)
| 済 | やること | 期限(数え始める日) | 確かめる先 | ひとこと |
|---|---|---|---|---|
| 済んだら印 | 9. 空き家を売ったときの3,000万円の特例を使うか確かめる | 亡くなった日から3年たつ日の、その年の12月31日までに売る。かつ、2027年12月31日までに売る(早いほう)[13] | 税務署・税理士 | 1981年5月31日以前に建てた家など、条件が多くあります[13]。相続人が3人以上なら2,000万円まで(2024年1月1日以後の売却)[13]。確定申告が必要です[13] |
| 済んだら印 | 10. 取得費の特例(相続税がかかった人)を使うか確かめる | 亡くなった日の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年たつ日までに売る[14] | 税務署・税理士 | 相続税がかかった人だけの特例です[14]。9の特例とは一緒に使えません[13]。確定申告が必要です[14] |
| 済んだら印 | 11. 家を売った翌年の確定申告 | 売った年の翌年の2月16日から3月15日まで[15] | 税務署 | 9や10の特例を使うときも、確定申告が要ります[13][14] |
G. カレンダーの日付で決まっている期限
| 済 | やること | 期限 | 確かめる先 | ひとこと |
|---|---|---|---|---|
| 済んだら印 | 12. 2024年4月1日より前に相続したと知った家の相続登記 | 2027年3月31日まで[9][10] | 家のある地域の法務局 | 昔の相続も、義務の対象です[9] |
| 済んだら印 | 13. 価額が100万円以下の土地の相続登記の免税 | 2027年3月31日までに相続登記をすれば、登録免許税がかかりません[12] | 法務局・国税庁のページ | ふだんの税額は不動産の価額の1000分の4です[12] |
H. 長い目で見て
| 済 | やること | 期限(数え始める日) | 確かめる先 | ひとこと |
|---|---|---|---|---|
| 済んだら印 | 14. 遺産の分け方を決める(遺産分割) | 亡くなった日から10年たつと、分け方の決まりが変わる[17] | 家庭裁判所・弁護士などの専門家 | 10年をすぎると、原則として、生前の贈与や寄与分(介護などの貢献)を分け方に反映するよう求められなくなり、法定相続分などが基準になります。例外があります[17]。この決まりは2023年4月1日に始まりました。それより前に亡くなった場合の扱いは、法務省の案内で確かめてください[16] |
期限は、法律や税の決まりが変わると変わることがあります。手続きの前に、確かめる先の窓口かページで、今の決まりを確かめてください。
カレンダーの日付で近い順に見る(2026年10月17日時点)
一人ひとりの日付によらず、カレンダーで決まっている期限は次のとおりです。
| 順 | 日付 | 何の期限か | 表の番号 |
|---|---|---|---|
| 1 | 2027年3月31日 | 2024年4月1日より前に相続したと知った家の相続登記[9] | 12 |
| 1 | 2027年3月31日 | 価額が100万円以下の土地の、相続登記の免税[12] | 13 |
| 2 | 2027年12月31日 | 空き家を売ったときの3,000万円の特例を使える売却の最後の日[13] | 9 |
| 毎年 | 2月16日〜3月15日 | 前の年に家を売った人の確定申告[15] | 11 |
12と13は同じ日です。土地の価額が100万円以下なら、相続登記を2027年3月31日までに済ませると、免税の期限にも間に合います[9][12]。
9の特例は、「亡くなった日から3年たつ年の年末」と「2027年12月31日」の早いほうが期限です[13]。2027年12月31日より後にこの特例が続くかどうかは、2026年10月17日時点の国税庁のページには書かれていません。
「数え始める日」で分けると
同じ「相続の期限」でも、数え始める日は項目ごとに違います。言い方は、それぞれの公的なページに合わせています。
| 数え始める日 | 当てはまる項目(表の番号) |
|---|---|
| 死亡の事実を知った日 | 1 死亡届[1] |
| 自分のために相続が始まったことを知ったとき | 2 相続放棄、3 限定承認[2][3] |
| 相続の開始があったことを知った日の翌日 | 4 準確定申告[5] |
| 亡くなったことを知った日(ふつうは亡くなった日)の翌日 | 5 相続税の申告と納税[6] |
| 不動産を相続で取得したことを知った日 | 6 相続登記、7 相続人申告登記[9][10][11] |
| 遺産分割(話し合いがまとまった日) | 8 遺産分割の内容の登記[10] |
| 亡くなった日(相続の開始があった日) | 9 3,000万円の特例、14 遺産分割の10年[13][17] |
| 亡くなった日の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年まで | 10 取得費の特例[14] |
| 家を売った年の翌年 | 11 確定申告[15] |
| カレンダーの日付 | 12・13(2027年3月31日)、9(2027年12月31日)[9][12][13] |
「知った日」から数える項目は、人によって数え始める日がずれることがあります。たとえば、離れて暮らしていて、亡くなったことを後から知った場合です。自分の場合の数え始める日は、確かめる先の窓口で聞いてください。
よくある取り違え
1. 「相続放棄の3か月は、亡くなった日から」とは限らない
裁判所の案内では、「自分のために相続が始まったことを知ったとき」から3か月以内です[2]。何もしないまま3か月をすぎると、借金も含めて受け継いだことになります(民法921条2号)[4]。3か月の中で決めきれないときは、期間を延ばす申し立てができる場合があります[2]。迷ったら、早めに家庭裁判所に相談してください。
2. 相続放棄を考えているのに、先に家や家財を処分してしまう
相続財産を処分すると、相続を受け入れたとみなされ、相続放棄ができなくなることがあります(民法921条1号)[4]。片付けや売却の前に、家庭裁判所か専門家に確かめてください。
3. 「相続登記の3年は、亡くなった日から」ではない
法務省の案内では、「不動産を相続で取得したことを知った日」から3年以内です[9][10]。話し合いで家を受け継いだときは、別に「遺産分割から3年以内」の登記の義務があります[10]。話し合いが長引いても、こちらの3年は止まりません。間に合わないときは相続人申告登記(表の7)ができます[10]。
4. 「2024年4月より前の相続は関係ない」ではない
2024年4月1日より前に相続したと知った不動産も、2027年3月31日までに登記する必要があります[9]。
5. 3,000万円の特例は「3年以内」ではなく「3年たつ年の年末まで」。しかも2027年12月31日まで
数え始めるのは、知った日ではなく亡くなった日です[13]。そのうえで、2027年12月31日までに売る決まりもあります。早いほうが期限です[13]。相続人が3人以上なら、2,000万円までになります(2024年1月1日以後の売却)[13]。取得費の特例(表の10)とは、一緒には使えません[13]。
6. 「相続税がかからないなら、税の手続きは何もない」とは限らない
相続税は、遺産の合計が基礎控除額以下なら、申告も納税も要りません[6][7]。ただし、小規模宅地等の特例などを使って基礎控除額以下になる場合は、申告が必要です。申告がいるかは、特例を使う前の額で決まります[6]。2024年(令和6年)に亡くなった人のうち、相続税がかかったのは10.4%でした[8]。亡くなった人の所得税の申告(準確定申告)は、相続税とは別の手続きです[5]。家を売ったときの特例も、使うには確定申告が要ります[13][14]。
よくある取り違え(短く)
- 相続放棄の3か月は「相続が始まったことを知ったとき」から。何もしないまま過ぎると、借金も含めて受け継ぐ[2][4]。
- 相続放棄を考えているなら、家や家財を処分する前に家庭裁判所か専門家へ[4]。
- 相続登記の3年は「不動産を相続で取得したことを知った日」から。話し合いが長引いても止まらない[9][10]。
- 3,000万円の特例は「亡くなった日から3年たつ年の年末」と「2027年12月31日」の早いほう。相続人3人以上なら2,000万円まで[13]。
- 小規模宅地等の特例などを使って相続税が0円になるときも、申告が要る[6]。準確定申告や、売ったあとの確定申告も別の手続き[5][15]。
次の一手
期限を確かめたら、実家をどうするかの順番も見ておくと安心です。
紹介料のない相談先
期限や手続きは、次の窓口で確かめられます。どこも、このサイトに紹介料は入りません。
- 家庭裁判所: 相続放棄・限定承認(表の2・3)。申し立てる先は、亡くなった人の最後の住所地の家庭裁判所です。どこの裁判所かは、裁判所のページの提出先一覧で調べられます[2]。 裁判所「相続の放棄の申述」
- 法務局: 相続登記・相続人申告登記・遺産分割の登記(表の6〜8・12・13)。家のある地域を受け持つ法務局に申し出ます[11]。
- 税務署: 準確定申告・相続税・売ったときの特例・確定申告(表の4・5・9〜11)。
- 市区町村の役所: 死亡届(表の1)[1]。空き家の相談は、空き家の窓口で受けています。窓口の名前は自治体で違います。わからないときは、役所の代表電話で「空き家の相談」と伝えて、担当の窓口を聞いてください。
- 家庭裁判所(表の2・3)
- 法務局(表の6〜8・12・13)
- 税務署(表の4・5・9〜11)
- 市区町村の役所(表の1)
このサイトが相談先をどう並べているかは、このサイトの約束に書いています。
出典(確認日 2026年10月17日)
本文の[1]〜[17]の番号と対応します。
- 法務省「死亡届」
- 裁判所「相続の放棄の申述」
- 裁判所「相続の限定承認の申述」
- e-Gov 法令検索「民法」第921条(法定単純承認)
- 国税庁 No.2022「納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)」(令和8年4月1日現在法令等)
- 国税庁 No.4205「相続税の申告と納税」(令和8年4月1日現在法令等。注2: 申告がいるかを決める額は、小規模宅地等の特例などを使わない額)
- 国税庁 No.4152「相続税の計算」(令和8年4月1日現在法令等)
- 国税庁 報道発表資料「令和6年分 相続税の申告事績の概要」(令和7年12月)
- 法務省「相続登記の申請義務化」特設ページ
- 法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」(令和7年3月27日現在)
- 法務省「相続人申告登記について」
- 国税庁 No.7191「登録免許税の税額表」(令和8年4月1日現在法令等)
- 国税庁 No.3306「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」(令和8年4月1日現在法令等)
- 国税庁 No.3267「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」(令和8年4月1日現在法令等)
- 国税庁 No.3102「譲渡所得の申告期限」(令和8年4月1日現在法令等)
- 法務省「不動産を相続した方へ ~相続登記・遺産分割を進めましょう~」
- 法務省 資料「具体的相続分による遺産分割の時的限界」
更新履歴
- : 公開(出典はすべて2026年10月17日に確かめました)
見直し予定: 2027年4月(2027年3月31日の期限のため)、2027年12月(相続税の申告事績の新しい年分)、2028年1月(3,000万円の特例の期限 2027年12月31日のため)
出典と確認日は https://jikka.choko-tech.com/tools/deadline-checklist/ に載せています(確認日 2026年10月17日)。一人ひとりの期限は、確かめる先の窓口で確かめてください。