実家の片付けを業者に頼むとき:費用の目安と選び方
出典の確認日: 2026年10月8日
この記事の結論
片付けの費用は、物の量や間取り、運び出しの条件で決まります。公的な相場の数字はありません。 複数の業者から見積もりを取り、追加料金とキャンセル料を書面で確かめましょう。 処分を頼む前に、残す物を分けておきます。
実家の片付けを頼める先
自分で片付ける(市区町村の粗大ごみ・持ち込み)
市区町村の粗大ごみの収集や、ごみの施設への持ち込みを使って、自分で片付ける方法です。
出し方や手数料は、市区町村ごとに違います。家のある市区町村のホームページや窓口で確かめてください。
近くに住んでいて、時間がある人に向いています。物が多いと、何度も通うことになります。
エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機などは、粗大ごみとは出し方が違います。下の「家電4品目は、粗大ごみと出し方が違う」をご覧ください。
片付けや回収の業者に頼む(家庭のごみを回収できるかを確かめる)
「不要な物の回収」などの名前で、家の中の物の運び出しから処分までを請け負う業者です。物が多く、自分で運べないときに向いています。
家庭のごみを回収するには、市区町村の許可か委託が要ります[1]。確かめ方は、「業者の選び方」で書きます。
遺品整理の業者に頼む(形見や書類を探しながら進めたいとき)
亡くなった人の家の物を、形見や大事な書類を探しながら整理する業者です。残す物の指示や、作業の立ち会いが要ります。
品物の買い取りも行う業者があります。処分する物の運び出しをどの業者が行うのかも、見積もりのときに聞いておきましょう。
片付けずに家ごと売る
片付けをせず、荷物が残ったまま家を買い取ってもらう方法もあります。片付けの費用を先に出さずに済むことがあります。
くわしくは片付けずに家ごと売る方法をご覧ください。
比べると
| 片付け方 | 先に出すお金 | 売れる物の扱い | 手間 | 向いている事情 |
|---|---|---|---|---|
| 自分で片付ける | あり(粗大ごみの手数料など。市区町村で違う) | 自分で売り先を探す | 分別・運び出し・何度も通う | 近くに住み、時間がある |
| 片付けや回収の業者 | あり(作業代) | 買い取る業者と、買い取らない業者がある | 見積もりの立ち会い・残す物の仕分け | 物が多く、自分で運べない |
| 遺品整理の業者 | あり(作業代) | 買い取りも行う業者がある | 残す物の指示・立ち会い | 形見や書類を探しながら片付けたい |
| 家ごと買取に出す | なし(査定無料の会社がある) | 家と一緒に手放す(残す物は先に持ち出す) | 残す物の持ち出し・査定の立ち会い | 片付け代を出したくない・遠方に住んでいる |
費用はどう決まるか
物の量・間取り・運び出しの条件・作業の人数
片付けの費用は、主に次のような点で変わります。
- 物の量(トラックの大きさや台数)
- 部屋の数と広さ
- 階段やエレベーターの有無、トラックを止める場所までの距離
- 作業する人の数と日数
- エアコンの取り外しなど、別に料金がかかる作業
見積もりのときに、どれが金額に入っているかを聞きましょう。
国や公的機関がまとめた相場の数字は見つかりませんでした。そのため、この記事では金額を書いていません。
家電4品目は、粗大ごみと出し方が違う
エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機の4つは、家電リサイクル法の対象です[4]。
使い終わったものは、家電リサイクル券を貼って家電の販売店に引き渡すか、市区町村の案内する方法で出します[4]。出し方がわからないときは、市区町村のごみ・リサイクルの担当に聞いてください[4]。
まだ十分に使えるものは、信用できる中古品の店に買い取ってもらう方法もあると、環境省は案内しています[4]。
「パック料金」の広告と、請求の額が違ったという相談
国民生活センターの公表では、不要な物を回収するサービスについての相談は、2018年度の1,354件から2021年度の2,231件に増えました[2]。
広告に「軽トラックパック7,000円」とあったのに、作業のあとで25万円を請求された、という相談の例もあります[2]。
遺品整理サービスでも、作業の当日に予定にない料金がかかり、見積もりの2倍の額を請求された、という相談の例があります[3]。
ここに出てくる金額は、トラブルの例です。片付けの相場として見ないでください。
業者の選び方
家庭のごみを回収できるのは、市区町村の許可か委託を受けた業者
環境省は、家庭の廃棄物を回収するには、市区町村の「一般廃棄物処理業」の許可か、市区町村の委託が必要だと案内しています[1]。
「産業廃棄物処理業」の許可や「古物商」の許可では、家庭のごみは回収できません[1]。産業廃棄物処理業は工場や会社のごみを処理するため、古物商は中古品を売り買いするための許可です[1]。
売れる物を買い取ってもらうことと、ごみを回収してもらうことは、別のことです。
許可を持つ業者は、市区町村のホームページや窓口で探せます[2]。
見積書で、作業の範囲・追加料金・キャンセル料を確かめる
国民生活センターは、トラブルを防ぐために、次のことを呼びかけています[2][3]。
- 複数の業者から見積もりを取る
- 見積書の中身をよく確かめる
- 追加の料金がかかる場合と、キャンセル料を先に確かめる
- 処分する物と残す物を、はっきり分けておく
作業を始める前に、払う金額を確かめておくことも大切です[5]。見積もりのときにせかされても、その場で決めなくてかまいません。
一括見積もりで紹介された業者でも、許可は自分で確かめる
いくつかの業者の見積もりを、まとめて頼めるサービスがあります。
紹介された業者でも、家庭のごみを回収できる許可か委託を受けているかは、市区町村のホームページや窓口で確かめましょう。
遠方の実家を片付けるとき
実家が遠いと、何度も通うのは大変です。業者を選ぶときに、次のことを聞いておきましょう。
- 立ち会いは何回要るか
- 鍵を預ける場合、どう受け渡すか
- 写真や動画で見積もりを出せるか、現地を見ないと出せないか
- 作業が終わったことを、どんな形で知らせてくれるか
- 残す物を送ってもらえるか、その送料はどうなるか
残す物は、一覧や写真にして業者に渡しておくと、行き違いを防ぎやすくなります。
売れる物を先に売る
片付けの前に、まだ使える物や値段がつく物を売る方法もあります。家に来て品物を見て、その場で買い取る「出張買取」というサービスもあります。
出張買取では、売れない物は引き取らないことがあります。売れなかった物の片付けは、別に考えておきましょう。
中古品の買い取りは、古物商の許可で行う売り買いで、ごみの回収とは別です[1]。
相続放棄を考えている場合は、物を売る前に、注意点「相続放棄を考えているとき」を読んでください。
先に知っておきたい注意点
相続放棄を考えているとき
相続放棄を考えている場合は、家や家財を売る・処分する前に、裁判所の案内か専門家に確かめてください。相続財産を処分すると、相続放棄ができなくなることがあります(民法921条1号)[7][8]。
困ったときは消費者ホットライン188
契約や請求のことで困ったときは、消費者ホットライン「188」に電話すると、近くの消費生活センターなどの相談窓口を案内してもらえます[6]。
相談先
紹介料のない相談先
- 市区町村の粗大ごみの案内: 出し方、手数料、持ち込みができるかを確かめられます。家のある市区町村のホームページや窓口で調べてください。
- 一般廃棄物処理業の許可業者の一覧: 家庭のごみを回収できる業者は、市区町村のホームページや窓口で探せます[2]。
- 消費者ホットライン188: 片付けの契約で困ったときに、近くの相談窓口を案内してもらえます。くわしくは消費者庁の案内をご覧ください[6]。
このサイトが相談先をどう並べているかは、このサイトの約束に書いています。
出典・更新履歴
出典
- 環境省「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」 https://www.env.go.jp/recycle/kaden/tv-recycle/qa.html (確認日: 2026-10-08)
- 国民生活センター 報道発表資料(2022年11月2日) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20221102_1.html (確認日: 2026-10-08)
- 国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」(2018年7月19日) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20180719_1.html (確認日: 2026-10-08)
- 環境省「いらなくなった家電製品は正しくリユース・リサイクル!」 https://www.env.go.jp/recycle/kaden/tvrecycle.html (確認日: 2026-10-08)
- 仙台市 不用品回収サービスのトラブルの注意 https://www.city.sendai.jp/kehatsu/kurashi/tetsuzuki/shohi/chui/huyouhin.html (確認日: 2026-10-08)
- 消費者庁「消費者ホットライン」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/ (確認日: 2026-10-08)
- e-Gov 法令検索「民法」第921条 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 (確認日: 2026-10-08)
- 裁判所「相続の放棄の申述」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html (確認日: 2026-10-08)
更新履歴
- 2026-10-08: 公開前の原稿を作成
出典の確認日: 2026-10-08