兄弟で共有の実家を売るとき、最初に話し合うこと
出典の確認日: 2026年10月8日
この記事の結論
売り方を決める前に、名義と持分(一人ひとりの持ち分の割合)を登記で確かめましょう。 今の値段と、残した場合に毎年かかるお金を材料にして、兄弟で話し合います。 考えがそろわないときは、弁護士や司法書士などに相談して、進め方を決めます。
話し合う前に確かめること
名義と持分を登記で確かめる
家と土地の持ち主の記録は、法務局の「登記」に残っています。
法務局で「登記事項証明書」を取ると、誰の名義か、一人ひとりの持分がどれだけかがわかります。たとえば兄弟2人が半分ずつ持っていれば、持分は2分の1ずつと書かれています。
家と土地は、別々に登記されています。両方を取りましょう。土地がいくつかに分かれて登記されていることもあります。
登記事項証明書の手数料は、2025年4月1日から次のとおりです[1]。
| 頼み方 | 1通の手数料 |
|---|---|
| 紙の請求書で頼む(窓口・郵送) | 600円 |
| オンラインで頼み、郵送で受け取る | 520円 |
| オンラインで頼み、窓口で受け取る | 490円 |
名義が親のままのとき
登記を見たら、亡くなった親の名義のままだった、ということもあります。その場合は、名義を移す手続きから順に進めることになります。
順番は、相続した家を売りたいとき、最初にやる順番にまとめています。名義が親のままの場合にも触れています。
話し合うこと(順番)
1. 売る・残す・誰かが住む、の考えを一人ずつ聞く
一度に結論を出そうとせず、まず一人ずつ考えを聞きましょう。「売りたい」「残したい」「自分が住みたい」などです。
あわせて理由も聞いておくと、あとで話をまとめやすくなります。
売る・貸す・持ち続けるの比べ方は、相続した実家、どうする? 売る・貸す・持ち続けるの比べ方をどうぞ。
2. 今の値段を知る
値段の見積もり(査定)は、話し合いの材料になります。売ると決めていなくても、聞くことはできます。
値段の見方は、会社によって違うことがあります。誰か1人が代表して聞いた場合も、結果は全員で見られるようにしましょう。
3. 残した場合に毎年かかるお金と手間
家を残すと、毎年お金と手間がかかります。
- 固定資産税: 土地と家に毎年かかる税金です。金額は、毎年市区町村から届く納税通知書で確かめられます。
- 管理: 空気の入れかえ、草刈り、郵便物の確認などです。家が遠ければ、行き来の費用や時間もかかります。
誰がこの手間を受け持つのかも、話し合っておきましょう。
4. 費用を誰がどう出すか
片付け、修理、売るときの費用、残す場合の毎年の税金などを、誰がどう出すかを決めます。
持分の割合で分けるのか、住む人や使う人が多く出すのかなど、分け方はいろいろです。決めた内容は、メモにして全員で持っておくと安心です。
先にお金を出しにくいときの手放し方は、実家じまいのお金がないとき、先に払わずに相談できる手放し方にまとめています。
5. 窓口になる人と、いつまでに決めるか
不動産会社などとやり取りする窓口の人を、1人決めておきましょう。
いつまでに決めるか、目安の時期も決めておきます。話し合った内容は、そのつど全員で共有します。
選択肢を比べる
| 選択肢 | 先に出すお金 | 家族全員の同意が要るか | 手間 | 向いている事情 |
|---|---|---|---|---|
| 全員で仲介で売る | 場合による(片付け・測量などが要るか) | 原則として要る(家全体を売るとき。連絡が取れない人がいるときの扱いは専門家に確かめる) | 全員の書類・立ち会いの調整 | 全員が売ると決め、時間をかけられる |
| 全員で今のまま買い取る会社に相談 | なし(査定は無料。一部対象外の会社もある) | 原則として要る(家全体を売るとき。連絡が取れない人がいるときの扱いは専門家に確かめる) | 全員の書類の調整。片付けは相談先による | 全員が売ると決め、片付けずに手放したい |
| 共有のまま持つ | なし(毎年の税金・管理の費用は続く) | 管理や費用の分け方を話し合う | 管理の分担・費用の精算 | まだ決めない・誰かが使う |
| 持分の扱いを専門家に相談する | 相談先による(法テラスは条件を満たせば無料) | 扱い方による(専門家に確かめる) | 相談の予約・書類の用意 | 考えがそろわない・連絡が取れない人がいる |
「仲介」は、不動産会社に買い手を探してもらう売り方です。
家全体を売るには、原則として、共有している人全員の同意が要ります[2][3]。連絡が取れない人がいるときの進め方は、弁護士や司法書士に確かめてください。
どの選択肢が合うかは、家族の事情によって違います。この記事では、どれがよいかは決めていません。
考えがそろわないとき
連絡が取れない兄弟がいる・話し合いにならない
連絡が取れない兄弟がいる。話し合っても考えがまとまらない。こうしたときに取れる方法は、事情によって違います。
家族だけで進めようとせず、次のような相談先で、進め方を相談してください。
- 弁護士会の法律相談
- 法テラス(条件を満たせば無料で相談できます)
- 司法書士会の相談センター
それぞれの連絡先と内容は、このページの「相談先」にまとめています。
相談の前に、次のものを用意しておくと、話が伝わりやすくなります。
- 家と土地の登記事項証明書
- 家族の関係と、それぞれの考えを書いたメモ
- これまでの話し合いの記録(日付と内容)
自分の持分の扱いについて
持分の扱いには、いくつかの選択肢があります。どれを選ぶかは、専門家に相談して決めてください。
紹介料のない相談先には、次のようなところがあります。
- 弁護士会の法律相談
- 法テラス
- 司法書士会の相談センター
連絡先は、このページの「相談先」にあります。
相談先
紹介料のない相談先
- 法務局: 家と土地の登記事項証明書を取れます。手数料は上の表のとおりです[1]。
- 司法書士会(司法書士総合相談センター): 日本司法書士会連合会によると、全国約150か所にあります[5]。相談の方法や費用は、地域のセンターごとに確かめてください。
- 弁護士会の法律相談センター: インターネットの「ひまわり相談ネット」か、電話の「ひまわりお悩み110番」で予約できます。相談料は地域や内容で違います。日本弁護士連合会の案内では、30分でおおむね5,500円前後です[4]。
- 法テラス: 収入と資産が一定の基準以下の人は、弁護士や司法書士に無料で相談できます。同じ問題について3回までです。問い合わせは、サポートダイヤル 0570-078374(平日9時〜21時、土曜9時〜17時)へ[6]。
このサイトが相談先をどう並べているかは、このサイトの約束に書いています。
出典・更新履歴
出典
- 法務省「登記手数料について」 https://www.moj.go.jp/MINJI/TESURYO/index.html (確認日: 2026-10-08)
- 法務省「民法の改正(所有者不明土地等関係)の主な改正項目について」(PDF。令和5年4月1日施行の改正の説明。30ページ・38ページ) https://www.moj.go.jp/content/001444020.pdf (確認日: 2026-10-08)
- e-Gov 法令検索「民法」第251条 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 (確認日: 2026-10-08)
- 日本弁護士連合会「法律相談」 https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice.html (確認日: 2026-10-08)
- 日本司法書士会連合会「司法書士総合相談センター」 https://www.shiho-shoshi.or.jp/consulting/ (確認日: 2026-10-08)
- 法テラス 無料法律相談の案内(ご利用の流れ) https://www.houterasu.or.jp/site/soudan-tatekae/goriyounonagare.html (確認日: 2026-10-08)
- ラクウル 公式サイト(広告主) https://raku-uru.org/ (確認日: 2026-10-08)
- タウンライフ空き家解決 公式サイト(広告主) https://town-life.jp/land/akiya-solution/index.php (確認日: 2026-10-08)
更新履歴
- 2026-10-08: 公開前の原稿を作成
出典の確認日: 2026-10-08