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実家がゴミ屋敷になったら:親と話す順番と、片付けるか家ごと手放すかの比べ方

出典の確認日: 2026年10月12日

この記事の結論

  • 物が多すぎる実家は、いきなり捨て始めるより、先に安全を確かめて、親の気持ちを聞くほうが進みやすくなります。市区町村が関わった事例でも、住んでいる人の理解が得られないことが、片付かない主な理由になっていました[1]。
  • 親の暮らしや体のことで困りごとがありそうなら、家のある市区町村の地域包括支援センターに相談できます[2]。
  • 片付け方は3つです。自分で少しずつ片付ける/片付けの業者に見積もりを頼む/家ごと手放す。親がその家に住み続けるかどうかで、選べる道が変わります。
  • 家ごと手放すかを決めるのは、家の名義の人です。 親が存命で親の名義なら、決めて申し込むのは親本人です。
  • 業者に家庭のごみを頼むときは、市区町村の一般廃棄物処理業の許可か、市区町村の委託がある業者かを確かめます[3]。

相続放棄を考えている場合は、家や家財を片付ける・売る前に、注意点「相続放棄を考えているとき」を読んでください。

まず安全と、親の気持ちを確かめる

物が多い家で起きやすいこと

総務省は2024年8月、30の市と特別区が把握していた、いわゆる「ごみ屋敷」181事例を整理した調査の結果を公表しました[1]。

  • 181事例のうち約8割(149事例)で、火災のおそれ・悪臭・害虫など、周りに何らかの影響が出ていました[1]。いちばん多かったのは火災のおそれ(103事例)です[1]。
  • 住んでいる人の約7割が、健康面や経済面の課題を抱えていました[1]。関係機関と連携した福祉的な支援や、経済的な支援で解消した事例もありました[1]。
  • 片付いていない119事例の主な理由は、「市区の対応について住んでいる人の理解を得られない」が約8割、「住んでいる人が解消を望んでいない」が約6割でした[1]。
  • 片付いていない事例の約3割は、一度物を運び出しても、また物がたまっていました(また物がたまるおそれがあると市区が判断している事例を含みます)[1]。

この数字は30の市区が把握している事例のもので、すべての家に当てはまるわけではありません。ただ、「物を出せば終わり」ではなく、住んでいる人の気持ちと暮らしの困りごとを一緒に見ることが、片付けの前提になると読めます。

先に確かめる安全のこと

親が住んでいる家なら、片付けの前に次を見ておきましょう。

  • 玄関から寝る場所・トイレ・台所まで、通れる道があるか
  • ガスこんろ・ストーブ・コンセントのまわりに、燃えやすい物が積まれていないか
  • 物が崩れてきそうな場所がないか

ここだけを先に片付けることを、親と最初に話す議題にすると、話を始めやすくなります。

親と話す順番

  1. 責めずに、困っていることを聞く。 「何が不便か」「何を残したいか」を先に聞きます。物を減らす話はそのあとにします。
  2. 親の物を、黙って捨てない。 親が住んでいる家の物は親の物です。黙って捨てると、話し合いそのものが止まることがあります。
  3. 安全のための場所から始める。 通り道や火のまわりなど、親も困っている場所から手をつけます。
  4. 残す物の置き場所を先に決める。 「ここに置く物は残す」と決めると、仕分けが進みやすくなります。
  5. 量が多いときは、業者に見積もりだけ頼む。 頼むかどうかは見積もりを見てから決められます。

暮らしや体の困りごとがありそうなとき

食事・お金の管理・体のことなど、片付け以外にも困りごとがありそうなら、家のある市区町村の地域包括支援センターに相談できます。厚生労働省は、地域包括支援センターを「地域の高齢者の総合相談」などを行う、市町村が設置する機関と説明しています[2]。

センターの名前や場所は自治体で違います。わからないときは、市区町村の高齢者福祉の担当に聞いてください。

片付け方の3つ

1. 自分で少しずつ片付ける

市区町村のごみの出し方に沿って、少しずつ出していく方法です。粗大ごみの出し方や、ごみの持ち込みができる施設は、市区町村のごみの担当で聞けます。

エアコン・テレビ・冷蔵庫と冷凍庫・洗濯機と衣類乾燥機の4つは、家電リサイクル法の対象です[4]。家電リサイクル券を貼って家電の販売店に引き渡すか、市区町村の案内する方法で出します[4]。

量が多いと、通う回数とごみの日に合わせる手間が大きくなります。遠くに住んでいる場合は、次の方法と比べてください。

2. 片付けの業者に見積もりを頼む

量が多い・運び出しが難しい・期限があるときは、業者に見積もりを頼む方法があります。親が住み続ける家でも、親が立ち会って、残す物を決めながら進められます。

業者に頼むときは、家庭のごみを回収できる業者かを確かめます(注意点)。業者の選び方と見積もりの比べ方は、片付けを業者に頼むときの費用と選び方にまとめています。

親が亡くなったあとの家で、遺品を仕分けながら片付けるときの順番は、遺品整理から解体・売却までの順番をご覧ください。

3. 家ごと手放す

親が施設に移った、または亡くなったあとの家なら、片付けずに、物が残ったまま買い取りを相談する方法があります。くわしくは荷物が残ったまま売る方法にまとめています。

家を手放すと決めるのは、家の名義の人です。

  • 親が存命で、親の名義の家のとき: 売るかどうかを決めて、申し込むのは親本人です。子は、相談先を一緒に調べたり、話し合いに同席したりできます。
  • 親が住み続けている家のとき: 家を手放すことは、親の住む場所を変えることです。親本人の考えを先に聞いてください。
  • 親が亡くなったあとの家のとき: 相続した人が決めます。相続人が複数いれば、全員で話し合います。

親本人が決めることが難しそうなときの手続きは、この記事では説明しません。地域包括支援センターか、市区町村の高齢者福祉の担当に相談してください。

片付けのお金を先に出せないときの手放し方は、片付けのお金を先に出せないときにまとめています。

相続放棄を考えている場合は、家や家財を片付ける・売る前に、注意点「相続放棄を考えているとき」を読んでください。

比べると

片付け方 先に出すお金 親が住み続けながらできるか 手間 向いている事情
自分で少しずつ片付ける 少なめ(ごみの手数料・家電4品目のリサイクル料金など) できる 大きい(通う回数・分別・ごみの日に合わせる) 量がまだ少なめで、親と一緒に仕分けできる
片付けの業者に見積もりを頼む あり(金額は見積もりで確かめる) できる(親が立ち会い、残す物を決める) 見積もりと作業の日の立ち会い 量が多い・運び出しが難しい・期限がある
家ごと手放す(今のまま買い取る会社に相談) なし(査定は無料の会社がある。一部対象外の会社もある) できない(親が住まなくなった家が対象) 問い合わせ・現地の確認の立ち会い・名義の確認 親が施設に移った・亡くなったあとで、先に片付けられない

費用は何で変わるか

片付けの費用は、家ごとの条件で大きく変わります。この記事では、公的な相場が見つからないため、金額は書きません。金額は見積もりで確かめてください。

見積もりで変わりやすいのは、次のような点です。

  • 物の量: 部屋の数と、床や棚にどれだけ物があるか
  • 運び出しの道: 階段か、通路の広さ、トラックを家の近くに止められるか
  • 作業の人数と日数: 量が多いほど増えます
  • 分別の手間: 燃えるごみ・資源ごみ・家電などに分ける作業
  • 家電4品目: 家電リサイクル法の決まった出し方があります[4]
  • 売れる物があるか: 家具・家電・着物などに値段がつけば、運び出す物を減らせることがあります

国民生活センターは、広告で見た料金と実際の請求が大きく違う、作業の当日に追加の料金を求められる、キャンセル料を求められる、といった相談が目立つと公表しています[5]。見積もりのときは、何が料金に入っているか、追加の料金とキャンセル料があるかを聞いておきましょう[5]。

見積もりの比べ方は、片付けを業者に頼むときの費用と選び方にまとめています。

先に知っておきたい注意点

相続放棄を考えているとき

相続放棄を考えている場合は、家や家財を売る・処分する前に、裁判所の案内か専門家に確かめてください。相続財産を処分すると、相続放棄ができなくなることがあります(民法921条1号)[7][8]。

家庭のごみを業者に頼むときの許可の確かめ方

環境省は、家庭の廃棄物を回収するには、市区町村の「一般廃棄物処理業」の許可か、市区町村の委託が必要だと案内しています[3]。

「産業廃棄物処理業」の許可や「古物商」の許可では、家庭のごみは回収できません[3]。

業者に頼む前に、次の2つを聞きましょう。

  • 家のある市区町村の「一般廃棄物処理業」の許可を持っているか
  • 市区町村の委託を受けているか

わからないときは、家のある市区町村のごみの担当に聞いてください。

なお、売れる物の買取は、ごみの回収とは別のものです。

市区町村によって決まりが違う

総務省の調査結果には、物がたまった家への対応のため、条例をつくるなどしている市区町村があると書かれています[1]。決まりや相談の窓口は市区町村ごとに違うので、家のある市区町村に確かめてください。

見積もりや契約で困ったら

見積もりと請求が食い違うなど、契約で困ったときは、消費者ホットライン「188」に電話できます。近くの市区町村や都道府県の、消費生活の相談窓口を案内してもらえます[6]。

相談は無料ですが、相談窓口につながってからの通話料はかかります[6]。

相談先

紹介料のない相談先

  • 地域包括支援センター: 親の暮らしや体のことで困りごとがあるときに相談できます。市町村が設置しています[2]。場所がわからないときは、市区町村の高齢者福祉の担当に聞いてください。
  • 市区町村のごみの担当: 粗大ごみの出し方、ごみの持ち込み施設、家電4品目の出し方を聞けます[4]。頼もうとしている業者が、家庭のごみを回収できるかどうかも聞いてみてください。
  • 消費者ホットライン188: 見積もりや契約で困ったときに、近くの相談窓口を案内してもらえます。くわしくは消費者庁の案内をご覧ください[6]。

紹介料がない相談先でも、無料とは限りません。料金がかかるかどうかは、相談先で確かめてください。

このサイトが相談先をどう並べているかは、このサイトの約束に書いています。

出典・更新履歴

出典

  1. 総務省「『ごみ屋敷』対策に関する調査結果(概要)」(PDF・通知日 2024年8月28日) https://www.soumu.go.jp/main_content/000964134.pdf (確認日: 2026-10-12)
  2. 厚生労働省「地域包括ケアシステム」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/ (確認日: 2026-10-12)
  3. 環境省「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」 https://www.env.go.jp/recycle/kaden/tv-recycle/qa.html (確認日: 2026-10-12)
  4. 環境省「いらなくなった家電製品は正しくリユース・リサイクル!」 https://www.env.go.jp/recycle/kaden/tvrecycle.html (確認日: 2026-10-12)
  5. 国民生活センター 報道発表資料(2022年11月2日) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20221102_1.html (確認日: 2026-10-12)
  6. 消費者庁「消費者ホットライン」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/ (確認日: 2026-10-12)
  7. e-Gov 法令検索「民法」第921条 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 (確認日: 2026-10-12)
  8. 裁判所「相続の放棄の申述」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html (確認日: 2026-10-12)
  9. ラクウル 公式サイト(広告主) https://raku-uru.org/ (確認日: 2026-10-12)

更新履歴

  • 2026-10-12: 公開前の原稿を作成

出典の確認日: 2026-10-12