実家の処分、どこに相談する? 事情別の相談先
出典の確認日: 2026年10月9日
この記事の結論
売りたいなら不動産会社と宅建協会の無料相談所、名義がわからないなら法務局に相談します。 家族で考えがそろわないなら、司法書士会・弁護士会・法テラスが相談先です。 どれに当たるかわからなければ、診断で事情を整理しましょう。
相談の前に、そろえておくこと
相続放棄を考えている場合は、家や家財を売る・処分する前に、裁判所の案内か専門家に確かめてください。相続財産を処分すると、相続放棄ができなくなることがあります(民法921条1号)[16][17]。
どこに相談するにしても、次の3つがわかっていると、話が進めやすくなります。
家の名義と土地の権利
家と土地の名義が誰になっているかを確かめます。名義は、法務局で取れる「登記事項証明書」に書かれています。
名義が亡くなった親のままか、存命の親の名義か、すでに子の名義か。これで相談先が変わります。
誰が決めるか
家をどうするかを決めるのは、名義を持つ人です。相続した家なら、相続する人どうしで話し合って決めます。
相続する人が何人もいるときは、先に誰と話し合うかを整理しておきましょう。進め方は、兄弟で意見が分かれるときにまとめています。
家の状態と、持ち続けた場合のお金
荷物がどれくらい残っているか、傷みが目立つ所はあるか、をメモしておきます。
家を持ち続ける場合は、固定資産税などが毎年かかります。金額は家ごとに違うので、この記事では書いていません。
事情別の相談先
売りたい・値段を知りたい
不動産会社に、値段の見積もり(査定)を頼みます。いくつかの会社に聞くと、値段の幅がわかります。
不動産会社に当たる前に、一般的なことを聞きたいときは、都道府県の宅建協会の不動産無料相談所があります[1][2]。
- 47都道府県の宅建協会にあります[1]。
- 不動産についての一般的な相談と、苦情の相談を受けています[2]。
- 相談の日や時間は、全宅連の一覧の電話番号で、各協会に確かめてください[1]。
買い取りの会社に相談するときに確かめたいことは、買取業者に相談する前ににまとめています。
まだ決めていない・補助や空き家バンクのことを知りたい
市区町村の空き家の担当課に聞きます。片付けや解体の補助があるか、空き家バンクに登録できるか、などを聞けます。
担当課の名前は、市区町村で違います。わからないときは、役所の代表電話で「空き家の相談」と伝えて、担当を聞いてください。
国土交通省は、空き地などの相談に応じる市町村のページへのリンク集を出しています[12]。リンクが載っていない市町村も相談に応じている場合があるので、土地のある市町村に問い合わせるよう書いています[12]。
全国版空き家・空き地バンクは、各自治体の空き家の情報を、自治体をまたいで探せるサイトです。国土交通省のページから進めます。LIFULLとアットホームの2社が運営しています[13]。
不動産会社に断られた
次の当たり方は、不動産会社に断られたときにまとめています。
国に土地を引き取ってもらう制度(相続土地国庫帰属制度)もあります[10]。ただし、次の点に気をつけてください。
- 建物がある土地は申請できません[10]。原則として、建物を取り壊してから申請します[11]。
- 取り壊す前に、法務局に相談してください[11]。全国の法務局・地方法務局で相談を受け付けています[10]。
- 申請のときに、審査の手数料が土地1筆(登記の上での1区画)あたり14,000円かかります[10][11]。
- 承認されたら、負担金を払います。宅地・田畑・雑種地などは、原則として面積にかかわらず20万円です。ただし、市街化区域や用途地域が指定された地域の宅地と田畑、農用地区域や土地改良事業の区域の田畑、森林は、面積に応じて決まります[11][18]。
解体の費用に、これらが加わります。手元のお金が少ないときに、最初に当たる先ではありません。
兄弟・相続する人どうしで、考えがそろわない
法律の専門家に相談できる窓口があります。
- 司法書士会の相談センター: 日本司法書士会連合会によると、司法書士総合相談センターは全国に約150か所あります[3]。
- 弁護士会の法律相談センター: 日本弁護士連合会によると、全国約300か所で法律相談をしています[4]。相談はおおむね30分です。相談料は地域や内容で違いますが、5,500円前後と考えてください、と書かれています[4]。
- 法テラス(日本司法支援センター): 法的トラブルの相談先です。条件を満たせば、弁護士・司法書士による無料の法律相談を受けられます[5]。問い合わせは「法テラス・サポートダイヤル」0570-078374(平日9時〜21時、土曜9時〜17時)です[5]。
法テラスの無料相談の条件は、法テラスに確かめてください。
名義が亡くなった親のまま
法務局の登記手続案内で、名義を移す手続き(相続登記)の進め方を聞けます[8]。
- 予約が要ります(完全予約制)[8]。
- 1回20分以内です[8]。
- 電話、法務局の窓口、ウェブ会議の3つから選べます[8]。
手続きを頼みたいときは、司法書士会の相談センターも相談先になります[3]。
相続登記は、2024年(令和6年)4月1日から義務になっています[9]。
- 相続で家や土地を取得したことを知った日から、3年以内に登記します[9]。
- 2024年4月1日より前の相続で、まだ登記していない家や土地は、2027年(令和9年)3月31日までに登記します[9]。
- 正当な理由なく登記しないと、10万円以下の過料(行政上のお金の罰)が科されることがあります[9]。
親が施設に入った
親が存命なら、家の名義は親のままです。家をどうするかは、まず親本人の考えを確かめます。
親の暮らしや介護のことは、地域包括支援センターに相談できます。全ての市町村にあり、名前は市町村で違うことがあります[6]。
親本人の考えを確かめるのが難しいときは、裁判所の「後見開始」の案内と、法務省の成年後見制度のQ&Aを見てください[14][15]。
片付けや解体の見積もり・契約で困った
**消費者ホットライン「188」**に電話すると、近くの消費生活センターや消費生活相談の窓口を案内してもらえます[7]。
相談は無料ですが、窓口につながったときから通話料がかかります[7]。
比べると
| 事情(主な相談先) | 先に出すお金 | 紹介料があるか | 手間 | 向いている事情 |
|---|---|---|---|---|
| 売りたい(宅建協会の不動産無料相談所) | なし(無料と全宅連の公式サイトに記載) | ない | 電話で問い合わせ。相談の日は協会ごとに確かめる | 不動産会社に当たる前に、一般的なことを聞きたい |
| 売りたい(今のまま買い取る会社・まとめて相談) | なし(査定・提案は無料と各社の公式サイトに記載。一部対象外あり) | ある(この記事に紹介料が入る) | 問い合わせ・会社からの連絡 | 値段を知りたい・早めに手放したい |
| 決めていない(市区町村の空き家の担当課・空き家バンク) | 場合による(自治体に確かめる) | ない | 担当課を探して問い合わせる | 補助・空き家バンク・管理の相談をしたい |
| 断られた(空き家バンク・法務局の国庫帰属の相談) | 国庫帰属はあり(解体費+審査の手数料 土地1筆14,000円+負担金20万円〜) | ない | 登録・申請・審査 | 買い手が見つからない |
| 兄弟で考えがそろわない(司法書士会・弁護士会・法テラス) | 場合による(弁護士会は30分で5,500円前後と日弁連が記載。法テラスは条件を満たせば無料) | ない | 予約・資料の準備 | 考えがそろわず、進め方を決めたい |
| 名義が親のまま(法務局の登記手続案内・司法書士会) | 相談先で確かめる | ない | 予約・登記事項証明書の準備 | 名義・相続登記の進め方を知りたい |
紹介料がない相談先でも、無料とは限りません。弁護士会の相談のように、相談料がかかる例があります。料金は相談先で確かめてください。
診断では、事情ごとに最初の一手を出しています。表の事情とは、次のように対応します。
- 売りたい → 複数の会社に今の値段を聞く
- まだ決めていない → 持ち続けるか、手放すかを比べる
- 断られた → 断られたあとの、次の当たり方
- 兄弟で考えがそろわない・親が施設に入った → 家族の話し合いを先に
- 名義が親のまま → 名義の確認を先に
- お金を先に出せない → 先に払わずに相談できる先から
- 荷物が多い・傷みが目立つ → 片付けてから売るか、今のまま売るかを比べる
相談にかかるお金
「紹介料のない」は「無料」と同じではない
紹介料のない相談先でも、お金がかかることがあります。この記事で確かめた範囲では、次のとおりです。
- 宅建協会の不動産無料相談所: 無料と書かれています[2]。
- 弁護士会の法律相談センター: 相談料は地域や内容で違い、5,500円前後と考えてください、と書かれています[4]。
- 法テラス: 条件を満たせば、無料の法律相談を受けられます[5]。
- 消費者ホットライン188: 相談は無料ですが、通話料がかかります[7]。
- 司法書士会の相談センター・法務局の登記手続案内: 公式のページに料金の記載が見当たりませんでした[3][8]。相談先で確かめてください。
紹介料のある相談先は、この記事に紹介料が入る
このページの「紹介料のある相談先」から申し込みがあると、このサイトに紹介料が入ります。
どう相談先を選んで並べているかは、このサイトの約束に書いています。
先に知っておきたい注意点
相続放棄を考えているとき
相続放棄を考えている場合は、家や家財を売る・処分する前に、裁判所の案内か専門家に確かめてください。相続財産を処分すると、相続放棄ができなくなることがあります(民法921条1号)[16][17]。
「相談窓口」という名前でも、公的な窓口とは限らない
インターネットで「空き家の相談窓口」などと探すと、民間の会社のサイトも出てきます。
名前に「窓口」とあっても、国や自治体の窓口とは限りません。相談する前に、運営している会社と、紹介料を受け取っているかを確かめましょう。
まとめて相談すると、複数の会社から連絡が来る
複数の会社にまとめて相談する方法では、いくつかの会社から電話やメールで連絡が来ます。
連絡を受けられる時間帯を考えてから、申し込みましょう。
相談先
紹介料のない相談先
- 都道府県の宅建協会の不動産無料相談所: 不動産の一般的な相談と苦情の相談を、無料で受けています。電話番号は全宅連の一覧にあります[1][2]。
- 市区町村の空き家の担当課: 補助や空き家バンクのことを聞けます。窓口の名前は自治体で違います。
- 全国版空き家・空き地バンク: 国土交通省の案内ページから進めます[13]。
- 法務局: 相続登記の進め方は登記手続案内(予約制)で聞けます[8]。国に土地を引き取ってもらう制度の相談も受け付けています[10]。
- 司法書士会の相談センター: 日本司法書士会連合会のページから探せます[3]。
- 弁護士会の法律相談センター: 日本弁護士連合会のページから予約の方法を確かめられます[4]。
- 法テラス: サポートダイヤル 0570-078374(平日9時〜21時、土曜9時〜17時)[5]。
- 地域包括支援センター: 親の暮らしや介護のことを相談できます。全ての市町村にあります[6]。
- 消費者ホットライン188: 見積もりや契約で困ったときに、近くの消費生活センターなどを案内してもらえます[7]。
紹介料がない相談先でも、無料とは限りません。料金は相談先で確かめてください。
このサイトが相談先をどう並べているかは、このサイトの約束に書いています。
出典・更新履歴
出典
- 全宅連「都道府県宅建協会・不動産無料相談所一覧」 https://www.zentaku.or.jp/association_list/ (確認日: 2026-10-09)
- 全宅連「相談窓口のご案内」 https://www.zentaku.or.jp/about/free_consultation/ (確認日: 2026-10-09)
- 日本司法書士会連合会「こんなときは司法書士」 https://www.shiho-shoshi.or.jp/consulting/ (確認日: 2026-10-09)
- 日本弁護士連合会「法律相談」 https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice.html (確認日: 2026-10-09)
- 法テラス(日本司法支援センター) https://www.houterasu.or.jp/ (確認日: 2026-10-09)
- 厚生労働省「認知症に関する相談について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000076236_00003.html (確認日: 2026-10-09)
- 消費者庁「消費者ホットライン」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/ (確認日: 2026-10-09)
- 法務局「登記手続案内」 https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page_000001_00050.html (確認日: 2026-10-09)
- 法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00565.html (確認日: 2026-10-09)
- 法務省「相続土地国庫帰属制度の概要」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00457.html (確認日: 2026-10-09)
- 法務省「相続土地国庫帰属制度に関するQ&A」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00459.html (確認日: 2026-10-09)
- 国土交通省「所有者不明土地・空き地等の低未利用土地に関する相談窓口・リンク集」 https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/tochi_fudousan_kensetsugyo_tk2_000001_00020.html (確認日: 2026-10-09)
- 国土交通省「空き家・空き地バンク総合情報ページ」 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/sosei_const_tk3_000131.html (確認日: 2026-10-09)
- 裁判所「後見開始」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_01/index.html (確認日: 2026-10-09)
- 法務省「成年後見制度・成年後見登記制度 Q&A」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji17.html (確認日: 2026-10-09)
- e-Gov 法令検索「民法」第921条 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 (確認日: 2026-10-09)
- 裁判所「相続の放棄の申述」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html (確認日: 2026-10-09)
- 法務省「相続土地国庫帰属制度の負担金」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00471.html (確認日: 2026-10-09)
- タウンライフ空き家解決 公式サイト(広告主) https://town-life.jp/land/akiya-solution/index.php (確認日: 2026-10-09)
- ラクウル 公式サイト(広告主) https://raku-uru.org/ (確認日: 2026-10-09)
更新履歴
- 2026-10-09: 公開前の原稿を作成
- 見直し予定: 2027年4月(相続登記の「2027年3月31日まで」の期限のため)
出典の確認日: 2026-10-09