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空き家を放置するとどうなる? 起きることと、手放す・管理するの比べ方

出典の確認日: 2026年10月12日

この記事の結論

空き家は、人が住まないだけで傷みが進み、近所との困りごとや、毎年のお金が続きます。 手入れが足りない状態が続くと、市区町村から指導や勧告を受けることがあり、勧告を受けると土地の税の特例が外れます。 管理を続けるか、手放すかを決めるために、まず「自分が年に何回通えるか」と「今のまま相談できる先」を確かめましょう。

あなたの事情での最初の一手を1分で確認

空き家をそのままにすると起きること

国土交通省の空き家対策の案内は、空き家で起きやすいことを次のように挙げています[1]。

家が傷む

人が住まない家は、梅雨や夏に風が通らず、カビて傷みやすくなります。破損や倒壊のおそれも強まります[1]。

窓や壁、屋根が壊れたままだと、そこからさらに傷みが広がります。

近所との困りごとになる

庭木のはみ出し、悪臭、害虫やネズミ、不審者が入り込むことなどが、近所とのトラブルにつながりかねない、とされています[1]。

建物や塀などに不具合があって、ほかの人にけがや損害を与えたときは、その建物を使っている人や持ち主が賠償の責任を負う、と民法に定めがあります(民法717条)[9]。自分の家に当てはまるかどうかは、弁護士などの専門家に確かめてください。

お金がかかり続ける

住んでいなくても、固定資産税はかかります。直す費用や、手放すときの解体の費用もかさみます[1]。

家ごとに違うので、この記事では金額を書いていません。

手放すときの選択が狭まることがある

相続した空き家を売るときに使える税の特例には、売る時期の決まりがあります(くわしくは「手放す道」の中で触れます)[7]。決めずに年数がたつと、使える時期を過ぎてしまうことがあります。

市区町村から連絡が来ることがある

空き家についての法律(空家等対策の推進に関する特別措置法。略して空家法)は、2023年(令和5年)12月13日に改正法が施行されました[4]。

改正で、これまでの「特定空家」に加えて、「管理不全空家」が市区町村の指導などの対象になりました[3]。

「特定空家」と「管理不全空家」

区分 どんな空き家か 市区町村ができること(空家法)
特定空家 倒壊の危険性が高いなど、周りに著しく悪い影響を与える空き家[3] 助言または指導 → 勧告 → 命令 → 代執行(持ち主に代わって市区町村が工事をすること)[5]
管理不全空家 手入れが行き届かず、そのままにすると特定空家になるおそれがある空き家[3][5] 指導 → 勧告[5]

管理不全空家は、手続きが「指導」と「勧告」までです。命令の定めはありません[5]。

特定空家で、勧告に従わず命令を受け、その命令にも違反したときは、過料(行政の罰としてお金を納めること)の定めがあります[5]。

国土交通省の案内では、管理不全空家を「特定空家予備軍」と呼んでいます[3]。窓や壁が壊れているなど、管理が足りない状態が例に挙がっています[2]。

自分の家がどちらかに当たるかは、市区町村が判断します。この記事では判断できません。

勧告を受けると、土地の税の特例が外れる

住宅が建っている土地には、固定資産税を軽くする特例(住宅用地の特例)があります[3][6]。

  • 200㎡以下の部分: 税の計算のもとになる額が6分の1になります[3][6]
  • 200㎡を超える部分: 3分の1になります[3][6]

管理不全空家や特定空家について指導を受け、従わずに勧告を受けると、この特例が受けられなくなります[3]。

特例が外れたあとの税の額は、土地の広さや評価で変わります。自分の土地でどうなるかは、市区町村の税の窓口で確かめてください。

連絡が来たら

市区町村から書面や連絡が来たら、まず担当の窓口に、どこを直せばよいか、いつまでに何をすればよいかを聞きましょう。

直すのか、手放すのかを決めるために、この下の「管理を続ける場合」と「手放す道」を比べてみてください。

管理を続ける場合にやること

すぐに手放せない、まだ決められないときは、手入れを続けることになります。

国土交通省のチェックリストにある管理

国土交通省の「空き家管理チェックリスト」は、定期的な管理として次を挙げています[2]。

  • 通気や換気
  • 排水設備(流し・トイレなど)の通水
  • 敷地内の清掃
  • 庭木の枝の剪定
  • 郵便物などの確認・整理
  • 冬の間は、給水管の元栓を閉める。積雪に応じて雪下ろしをする
  • 擁壁がある場合は、水抜き穴の清掃

あわせて、建物の傾き、外壁や屋根のはがれ・破損、雨漏りの跡、窓の破損、塀や門の傾き、動物が棲みついていないかなども点検の項目になっています[2]。何かあったら、補修などを依頼するよう書かれています[2]。

自分で通えないとき

チェックリストは、遠くに住んでいるなどで自分での管理が難しいときは、空き家の管理業者や修繕業者の利用を考えるよう呼びかけています[2]。

頼む場合は、何を・何回・どこまでしてくれるのか、報告の方法、料金を、契約の前に書面で確かめましょう。この記事では料金を書いていません。

遠くの家をどうするか迷っているときは、田舎の家を手放すと決めたら、どんな順番で進めるかも読んでみてください。

手放す道

管理を続けるのが難しいときは、手放す道を比べます。

相続放棄を考えている場合は、家や家財を手放す・処分する前に、注意点「相続放棄を考えているとき」を読んでください。

売る・貸す・持ち続けるをくわしく比べたいときは、相続した実家を売る・貸す・持ち続けるの比べ方にまとめています。

不動産会社に買い手を探してもらう(仲介)

不動産会社に買い手を探してもらう売り方です。売れるまで時間がかかることがあり、その間も管理は続きます。売れたときには、不動産会社への手数料がかかります。

今の状態のまま買い取る会社に相談する

家を今の状態のまま買い取る会社があります。傷みや荷物が残っていても相談を受ける、としている会社もあります。

受けられるかどうかは、会社ごと、家ごとに違います。買い取りの値段と、仲介で買い手を探す場合の値段は違います。

相談する前に確かめておきたいことは、空き家の買取業者に相談する前に確かめることにまとめています。

解体して土地で売る

建物を取り壊して、土地として売る方法です。解体の費用を先に出すことになります。金額は建物と地域で違うので、見積もりで確かめてください。解体に補助がある自治体もあります。

建物を壊したあとの土地の税金がどう変わるかは、市区町村の税の窓口で確かめてください。

壊す前に、壊さずに売った場合の値段も確かめておくと比べられます。迷っているときは、空き家を壊してから売るか迷うときをどうぞ。

空き家バンクに載せる

空き家バンクは、市区町村などが空き家を登録し、住みたい人や使いたい人に紹介するしくみです。国土交通省のページから、全国の空き家バンクの情報をまとめたサイトに進めます[8]。

載せられる家の条件は、市区町村ごとに違います。家のある市区町村の窓口で確かめてください。

売るときの税の特例と、時期の決まり

相続した空き家を売ったときは、条件に合えば、売って得た利益から最高3,000万円を差し引ける特例があります[7]。2024年(令和6年)1月1日以後の売却で、家と土地を相続した人が3人以上のときは、最高2,000万円です[7]。

売る時期は、「亡くなった日から3年たつ年の年末まで」と「2027年(令和9年)12月31日まで」の、早く来るほうまでです[7]。

ほかにも、たとえば次のような条件があります[7]。

  • 1981年(昭和56年)5月31日以前に建てられた家であること
  • 売るときに耐震の基準を満たしているか、家を取り壊すこと(売った翌年2月15日までに、買った人が工事や取り壊しをする場合も含む)
  • 亡くなる直前に、亡くなった人のほかに住んでいた人がいないこと
  • 相続のあと売るまでに、人に貸したり、住んだり、事業に使ったりしていないこと
  • 売る値段が1億円以下であること

条件はこのほかにもあります。使えるかどうかは、国税庁のページを見たうえで、税務署か税理士に確かめてください。

比べると

進め方 自分が通う回数 荷物はそのままでよいか 手間 向いている事情
自分で管理を続ける 多い(換気・通水・庭木などを定期的に) そのままでよい 通う時間と交通費・点検と補修の手配 近くに住んでいて、まだ決めきれない
管理を人に頼む 少なめ(契約の内容による) そのままでよい 業者探し・契約・報告の確認 遠くに住んでいて、しばらく持ち続けたい
仲介で売る 場合による(内覧の対応・打ち合わせ) 先に片付けが要ることが多い(相談先による) 不動産会社との打ち合わせ・売れるまでの管理 時間をかけて買い手を探したい
今のまま買取に相談 少なめ(現地の確認の立ち会いなど) そのままで相談できる会社がある 問い合わせ・立ち会い 通えない・片付けや直す費用を先に出したくない
解体して土地で売る 場合による(見積もり・解体の立ち会い) 先に片付けが要る 見積もり・近所へのあいさつ・売る手配 建物の傷みが大きく、土地として売りたい
空き家バンクに載せる 場合による(登録・見学の対応) 市区町村による 登録の手続き・見学の対応 時間をかけても、住みたい人・使いたい人を探したい

先に知っておきたい注意点

相続放棄を考えているとき

相続放棄を考えている場合は、家や家財を売る・処分する前に、裁判所の案内か専門家に確かめてください。相続財産を処分すると、相続放棄ができなくなることがあります(民法921条1号)[9][10]。

親が存命で、名義が親の家のとき

親が施設に入って空き家になった家などで、名義が親のときは、売るかどうかを決めるのは名義の人(親)です。

指導や税の変わり方は、家と土地ごとに違う

指導や勧告を受けるか、特例が外れたあと税がいくらになるかは、家と土地ごとに違います。気になるときは、自分の家について市区町村の空き家の窓口と税の窓口に聞いてください。

相談先

紹介料のない相談先

  • 市区町村の空き家の窓口: 管理のこと、補助、空き家バンクに登録できるかを聞けます。窓口の名前は自治体で違います。わからないときは、役所の代表電話で「空き家の相談」と伝えて、担当の窓口を聞いてください。
  • 市区町村の税の窓口: 固定資産税の住宅用地の特例が自分の土地でどうなるかを聞けます。
  • 国土交通省 空き家対策特設サイト: 国土交通省の案内で、空家法や管理のチェックリストを見られます[1][2]。
  • 全国版空き家・空き地バンク: 国土交通省の案内ページから進めます[8]。

このサイトが相談先をどう並べているかは、このサイトの約束に書いています。

出典・更新履歴

出典

  1. 国土交通省「住宅:空き家対策 特設サイト」 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/akiya-taisaku/ (確認日: 2026-10-12)
  2. 国土交通省「空き家管理チェックリスト」(PDF) https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/akiya-taisaku/assets/pdf/001720159-1.pdf (確認日: 2026-10-12)
  3. 国土交通省 空き家対策特設サイト「空家法とは」 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/akiya-taisaku/articles/2024020105.html (確認日: 2026-10-12)
  4. 国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律(令和5年法律第50号)について」 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000138.html (確認日: 2026-10-12)
  5. e-Gov 法令検索「空家等対策の推進に関する特別措置法」第13条・第22条・第30条 https://laws.e-gov.go.jp/law/426AC1000000127 (確認日: 2026-10-12)
  6. 総務省自治税務局固定資産税課「固定資産税制度について」(PDF・平成28年8月)10枚目 https://www.soumu.go.jp/main_content/000448731.pdf (確認日: 2026-10-12)
  7. 国税庁 No.3306「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」(令和8年4月1日現在法令等) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm (確認日: 2026-10-12)
  8. 国土交通省「全国版空き家・空き地バンク」 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/sosei_const_tk3_000131.html (確認日: 2026-10-12)
  9. e-Gov 法令検索「民法」第717条・第921条 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 (確認日: 2026-10-12)
  10. 裁判所「相続の放棄の申述」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html (確認日: 2026-10-12)
  11. ラクウル 公式サイト(広告主) https://raku-uru.org/ (確認日: 2026-10-12)
  12. タウンライフ空き家解決 公式サイト(広告主) https://town-life.jp/land/akiya-solution/index.php (確認日: 2026-10-12)

更新履歴

  • 2026-10-12: 公開前の原稿を作成
  • 見直し予定: 2027年の税制改正の発表後と、2028年1月(空き家の3,000万円の特例の期限 2027年12月31日のため)

出典の確認日: 2026-10-12